出版社内容情報
トムは捨て子だった.金持ちの家で快活な少年に育つが悪友のために勘当されて旅に出る.物語は無数の事件やエピソードがからんで発展し,トムの生活も波瀾万丈である.しかし彼は常に純情で小気味よい性格をもち続けて読者をひきつける.フィールディング(1707‐1754)の視野の広さ,精神の健康さが人間性の真実を写し出す.18世紀イギリスを代表する名篇.
内容説明
さて、舞台はアプトンの旅宿へと移る。ジョウンズに危難を救われたウォーターズ夫人が彼を誘惑、ベッドに誘い込む。ちょうどその夜、彼が心を捧げる永遠の女性ソファイアもこの宿に到着。さらには父親ウェスタンも。次々と珍事件が巻き起こり、息つく暇もない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
51
トムがややこしいことになっているところに家出をしたソフィアがやって来て、その後娘を追って父親が来て、と予想通りといえば予想通りの展開。フィッツパトリック夫人が語る結婚についての反省は、他の女性との競争心や見栄だけで結婚するものではないという女性向けの教訓か。父から逃げるように去ったソフィアの後を追ってロンドンに来たトムがソフィアの近くまで来ていながら会えないのも、なかなか気を持たせるところだが、そのせいでトムがかなりやっかいなことに。2016/04/15
うらなり
26
トムが暴漢から救ってやった夫人と同衾しているホテルに、偶然、トムを探し求めている令嬢ソフィアが到着。パートリッジやオナー女子の讒言もあってソフイアはトムに失望し、しるしのマフを残し即刻従姉妹のフィッツパトリック夫人とともにアプトンのホテルを立ち去りロンドンに向かい、遠縁のベラストン夫人に手厚く保護された。ロンドンにソフィアを追ってきたトムは仮面舞踏会でやっとベラストン夫人と出会う。美男のトムはベラストン夫人に惚れられてしまい、ソフィアとベラストン夫人の間で再び窮地に陥る。2021/10/17
ソングライン
22
オールワージ氏から絶縁を言い渡されたジョウンズ、一方ブライフィルとの結婚から逃れるためにソフィアもウェスタン家から出奔します。ロンドンへ向かうソフィアの後を追うジョウンズ、ロンドンに住むベラストン夫人を頼ることになるソフィアですが、ベラストン夫人は追ってきたジョウンズに恋をしてしまうことに。冒険に恋にと目まぐるしい展開に驚きながら、最終巻へ。2021/01/01
マッピー
21
もう、この作品ったら、大正時代に書かれた大衆小説もかくやってぐらいのメロドラマ。しかもことごとくその選択が裏目に出るのに、運命の神は二人を引き離すことなく試練を与え続けるのだ。いよいよ、トムが下宿先での難問を解決しようかという時、ソファイアについての恐ろしい知らせが届く。ってところで次巻、最終巻。これ、今風に脚色してドラマ化しても絶対面白いと思うんだけどなあ。ストーリーの無茶ぶりに突っ込みを入れつつ、登場人物の美貌にうっとり。家族全員で見ても安心な内容だし、視聴後の話題には事欠かないと思う。うん。 2020/09/04
Ryuko
21
お約束のすれ違いがもどかしい。最初のころはトムの出自が気になったけれど、今はもうトムの奔放さと相反する純情さにやきもきしています。いよいよ最終巻へ。2017/11/09
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