出版社内容情報
中世イタリアに発するソネット(十四行詩)の詩法は,イギリスに渡って『ソネット集』という甘美豊麗な果実をうんだ.イギリス文学中,最高のソネット文学と評される.シェイクスピアがうたいかける美貌の青年貴族とは,また「黒い女」(ダーク・レイディ)とは誰かなど多くの謎をはらみ,この作に詩人の伝記を読みとろうとする試みもある.
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプーン
40
純文学的な愛の苦悩をうたったソネット(14行詩)集。簡潔で適切な文言選びには、シェイクスピアの気品があらわれている。まさに果実。英国の。そして人類の。2019/01/31
ワッピー
29
岩波文庫を読もう!読書会にコメントいただいた読み友さんイチオシ。シェイクスピアが謎の美若者とダークレディに捧げた謎多き愛の賛歌です。もとより詩心と無縁のワッピーにはその美を愛でる資格はなさそうですが、愛の対象を巡って、保護者から奴隷へ、高揚と苦悩、賛美しつつ恨み言、自らを誇示し卑下するという心象の海で波立つすべての感情にどっぷり浸かりました。この作品は、愛という面倒な贈物を楽しみ、苦しむ人間の二重性を表し、技巧かつ真情にあふれていて、「W・H氏の肖像」を書いたワイルドのもどかしさも想像できる気がします。2019/09/21
風花
14
[再読]154篇のソネット(14行詩)からなる詩集。この中のほとんどの詩でシェイクスピアは、「美しき青年貴族」への愛を滔々と語っている。時にその美貌を賛美し、時に情熱的な言葉で愛を伝え、また愛ゆえの苦悩すらもうたいあげる。そう、ひとは恋をするとこんなふうに身も心も焦がすものだよね…。さて、この「美しき青年貴族」や他に登場する「黒い女」の正体については諸説あり、実はいまだに定説といえるものがなく謎に包まれているそう。→2017/05/20
雛子
11
これは恋をしているときに読みたい詩集。シェイクスピアは読まず嫌いだったけれど、訳が自然できれいだったからか読みやすくてすっと入ってきたような。次は英語で読んでみたいな。2011/09/19
アイナ
10
何より驚いたのは、シェイクスピアが愛を語っている相手が男性だということです!「私を愛しているのならもう一人のきみを作ってくれ」誰かと結婚してきみそっくりな子供を作って、という言葉は男同士の愛ならではですよね。そして、まさかの三角関係。「私を愛しているから私の女を受け入れたのなら、私の女と寝たからと言って、きみを咎めるわけにはいかない」相手が女性なら許せるのでしょうか。BLって深い・・・2016/06/03
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