岩波文庫<br> 黄金のろば 〈下巻〉

  • ポイントキャンペーン

岩波文庫
黄金のろば 〈下巻〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 196p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003211823
  • NDC分類 992
  • Cコード C0198

出版社内容情報

二世紀中頃の作で,代表的なラテン小説.人間がロバに姿を変えてさまざまな経験をする物語なので,いつとなく『黄金のろば』といわれるようになった.ロバから見ると人間はむしろロバ以上に間がぬけていることを面白く語り,世相の描写に種々の問題を提供する.『愛とこころ』(クピードとプシケエの物語)は本書の一部.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

em

19
「この大空、輝く太陽そのものからして、突然に神託が下されそうな気がする」というテッサリア。この一文だけで、二世紀のルキウス氏と私の "かの地" への思いは同じであると確信しました。塗るべき膏油を間違えてろばになってしまったルキウス氏が、艶笑譚などを語ります。この時代はちょうど一神教の成立過程で、諸宗教の間でゆるやかな勢力争い(教義や儀式の吸収、交換)が行われていたようなのですが、そんな背景からも、ルキウス氏が最後に受けた「イーシスとオシーリスの密儀」は象徴的で、興味深く読みました。2018/11/20

きりぱい

8
面白かった。ローマ時代の小説で完全に現存する最も古い写本だそうで、なんだかすごい代物の印象なのに、読みやすく、猥雑でありながら大らかなエロさと豊かな物語を楽しめた。上巻は、クピードー(エロスともキューピッドとも)とプシケーの挿話がとても良くて、話は知っていたものの、50ページ以上も割かれるので、その良さは地の話を忘れてしまうほど。下巻がまた楽しく、ろばの姿になってから遭う痛い目には、苛酷になるほど気の毒にも可笑しくて。果して人間に戻れるのか?信仰の道へと入る物語として風変りな遍歴は最後まで面白い。2012/11/07

misui

1
魔術でロバにされてしまうほど運命の女神(フォルトゥーナ)に苛まれてからのイシスによる救い…という教養小説ではあるけど、実態は下世話な小話の寄せ集めだろう。キリスト教が広まる前の多様な宗教が混在している状態が魔術的な雰囲気を作っており、倫理的にもあっけらかんとして開放的。というかキリスト教は邪教扱いされてる。イシスはマリアに取って代わられたらしいがどうかな。2021/03/12

belier

1
下世話な小話が満載。そこにプシケーの美しい神話世界が同居する。現代人にも共通の心性と古代人の神秘性が、ローマ時代の人には同時に宿っていたのか。気楽に読める古典。碩学の、くだけてはいるが古風な日本語訳がいい。2014/05/17

0
挿話のプシュケー神話が好きです。ちなみに絶版・・・再販しないかなぁ。

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/14786
  • ご注意事項

最近チェックした商品