内容説明
父アガメムノーンによって生贄にされた悲運の王女イーピゲネイア。奇跡的に女神アルテミスに救われ、今はタウリケーで望郷の日々を過ごす。そこへやってきたのが母殺しの罪によって故郷を追放された弟オレステース。二人はいかにして互いの素性に気づくのか。ギリシア三大悲劇詩人エウリーピデースの後期を代表する作品。新訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうすけ
15
アリストテレスが『オイディプス王』とともに悲劇のお手本と言った本作品。先日読んだ『アガメムノーン』で、実父に生け贄として殺害されたと思われていたイーピゲネイアが実は生きていた、というところから始まる物語。新訳のためか、かなり読みやすかった。ギリシア悲劇名物、デウス・エクス・マキナが登場するのを初めて読んだが、何だか味わい深くて良い。古代ギリシア文学はなかなか面白い。次は大元であるホメロスに挑戦してみようか。2020/09/30
ホームズ
8
生贄にされかけたイーピゲネイアと弟のオレステスの物語。姉弟の再会のシーンが意外に盛り上がらなかった気がする。まあ10年以上もあってなかったらすぐには分からないのかな(笑)ギリシア悲劇はやはり面白いな~(笑)神話を元にしているのでギリシア喜劇よりも分かりやすい(笑)2012/05/23
ふくろう
5
父に生け贄にされかけた娘、父を殺した母を殺した息子。二人の姉弟が、互いの素性を知らぬままに出会う。呪われた一族の運命から、彼らは脱却できるのか? 息つかせぬ展開。ギリシャ劇は一度はまると本当に面白い。2009/07/06
905
1
初のエウリピデス。昔、リヒャルト・シュトラウスのエレクトラを映像で見たのを思い出した。そのおかげで話の流れは掴みやすかったけど、約束事が多すぎてその程度の理解でしかない。注釈も膨大だし、しっかり味わうにはギリシア悲劇の基本からみっちりやらなきゃな。2021/05/20
fantamys
1
いろいろと奥が深い。・・・しかしこの展開は無理がないか?2017/07/11