出版社内容情報
「ギーターンジャリ」のギータは歌,アンジャリは合掌.神に訴えかけるタゴールの切々たる思いが美しく深い響きの詩句にうたいこめられ,その魂の高貴と優美をそのままに伝える.ベンガル語本の韻文訳に英語本の散文訳を付す.ベンガル語文学に新気運を生み出し,インド諸国語の文学にも大きな刺激を与えた功績は不滅である.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マンセイ堂
48
前半部のベンガル語による韻文訳は難しかったですが、後半部は分かりやすかったです。死を友人として迎える詩は、いいな〜と思いました。朝から雨で憂鬱でしたが、この詩集を読んだあと、何故か「それがどうした!」という気持ちになりました。2013/09/25
壱萬参仟縁
14
1910年初出。前半詩集。後半の『ギーターンジャリ』でノーベル文学賞(1913年)。分厚いけれどそれほど抵抗感なし。訳者のことば によると、吟誦し、唄うべきもの(387頁)。傍点付で、カタカナ語がひらがなになっているのは、意外性を感じる。 あありや人、あなありあ人(159頁)など。訳者の腕の見せ所でもある。「楽 苦 恐怖(おそれ)と 絶間なく この生命は 安からず―」(196頁)。いのちは流動的。「自由さえあればよい。だが、それを望むのは恥ずかしい」(253頁)。こころの中でつぶやく性質のものかもしれぬ。2014/02/05
記憶喪失した男
8
アジア初のノーベル文学賞。インドの詩人。何一つ刺激的なことばがない凡庸な駄作。当時のノーベル財団は、非西洋人の文学にまったく興味がなかったのだろう。最下位に近い本。2019/03/04
ฅ(・ω・*ฅ)
8
『わたしのものは何も残さないでください あなたこそわたしのすべてだと言えるように』素晴らしい詩ばかり!力がある。もう一度読むことφ(・ω・*ฅ)自分用メモ2013/02/14
isao_key
5
本書にはベンガル語本の『ギータンジャリ』157篇の定型詩と英語本散文詩103篇が収められている。英語本版は原語本から取ったのは53篇のみで、残り50篇は他のベンガル語詩集から選んだとある。また英語本は原語の詩をそのまま英語に移したのは少なく、表現を英語風に置き換えたり、語句を補ったりしている。訳者は例えば、95番などは雄大な原詩の圧縮に過ぎないし、その他の詩も遠く原詩には及ばないというが、その通りであろう。印象的だったのは、原語版の108番と英語版91番。この詩ではインド人による階級の差別を指摘している。2014/11/25