出版社内容情報
暗澹たる現実に抗い、千五百年前の詩人たちは悲傷の底でも詠い続けた。歴史・仙界・山水に託された理想。苛酷な生の諸相をみつめる個のまなざし。中国文学の淵源『文選(もんぜん)』、その全詩篇の精確な訳注、好評の第二冊。(全六冊)
内容説明
千五百年前の詩人たちは、暗澹たる現実に抗い、悲傷の底にあってもうたい続けた。生の諸相を鋭くみつめる個のまなざし、史上の人物・超俗の世界・山水の美に託された理想―中国文学の長い伝統の中心に屹立する詞華集『文選(もんぜん)』、その全詩篇の精確な訳注。
目次
巻二一 詠史(続)、百一、遊仙(詠史(続)
百一
遊仙)
巻二二 招隠、反招隠、遊覧(招隠;反招隠;遊覧)
巻二三 詠懐、哀傷、贈答一(詠懐;哀傷)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
93
シリーズ2冊目ですが、内容的に1冊目よりもわかりやすい詩になっていると感じました。1冊目はどちらかというとえらい人をほめるようなものでしたがこれは個人の内面的な感情を記しているものが多いと思いました。それにしてもこれだけ註釈があると本当に漢文の勉強になるくらい言葉がよく理解できます。あと4冊ありますが今までならったような漢詩は出てきていません。2020/05/12
かふ
17
詠史は叙事詩的な英雄詩なのだが、始皇帝(三国志)のあとに国が乱れて八王の時代になると、風刺詩「百一」や戦乱を逃れて山に隠れ棲む遊仙思想が出てくる。それは老荘思想を育んだ神仙思想でファンタジー詩のようなものだろうか。その頃から思想的に個人というものが芽生えはじめていくのかもしれない。「竹林の七賢人」阮籍「詠懐詩十七首」は最初に秋思の思いから盛者必衰の叙事詩となっていく。酒を酌み交わしながら詠んだ姿に李白を重ねる。この頃から山水画の老荘思想的な遊仙詩が出てきて、それを宮廷詩人らが桃源郷のように詠う。2024/10/29
大臣ぐサン
1
ようやく読み終わったよー。白文読むの辛いよぉ。まだ4冊あるよ。2022/11/01
春埜秋岡
1
前巻収録の詩よりも興味をそそられるものが増えた。一巻に多い、宴席にて主人を讃える詩篇はどうも退屈で。注釈に詩経その他の引用が多いのは、李善注を意識してのことだろうか。2018/04/26
bittersweet symphony
0
お役所的な上長へのヨイショ(自虐的なネタがおまけにつくのもそれらしい点ですね)的な作品が多数を占める本巻の中にあって、阮籍の「詠懐詩」が飛び抜けて良く出来ているという印象。吉川幸次郎さんの「詠懐詩」本があると思ってググったら、岩波文庫で廃版のようなのが残念。2022/11/02