出版社内容情報
蘇州の文人、馮夢龍(1574-1646)が編集刊行した「三言」と総称される短篇作品集は『水滸伝』『西遊記』と並ぶ中国白話文学の代表作。古今の帝王から庶民に至るまで、種々様々な物語を見ることができる。計120篇から、講談・落語の「紺屋高尾」の原案「花魁と油売り」等、心動かす人情噺7篇を挿絵と共に収録。
【目次】
地 図
真珠の肌着
指輪の因縁
遊女の恨み
花魁(おいらん)と油売り
唐寅微笑の縁
厄災書生の出世
三国英雄たちの由来
解説……………大木 康
内容説明
蘇州の文人、馮夢龍(1574‐1646)が編集刊行した「三言」と総称される短篇作品集は『水滸伝』『西遊記』と並ぶ中国白話文学の代表作。古今の帝王から庶民に至るまで、種々様々な物語を見ることができる。計120篇から、講談・落語の「紺屋高尾」の原案「花魁と油売り」等、心動かす人情噺7篇を挿絵と共に収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
47
明代に編纂された短編集、『三言』。こんなに面白いとは!特に最後の「三国英雄たちの由来」は何とも痛快。才能が生かされない不平等な世を嘆く余り、閻魔大王を罵った男が「じゃあ、お前が代わりに遣れよ!」と地獄に堕とされるも今まで白黒つけられなかった戦国時代の武将や后たちの悪業や無念を見事に裁いていく。「あの人が(三国志での)あの人物に生まれ変わるのか!」という発見が楽しすぎる。また、「スマート」という言葉が出てくるのに翻訳者の味が出ていて面白い。とはいえ、本書は人情物に絞った、一部でしかないので他の話も読みたい!2026/08/09
tom
19
【軟禁読書】こいつは楽しい。ちょっと笑って気持ちよくなれる短編集。舞台は遊郭などなど、健気でしたたかな女性とおバカであったりずるかったり、女性と同じく健気で一途だったりする男の交情を描く。中国明時代の小説集というから驚いてしまう。もし、歌舞伎や文楽で取り上げたら、けっこうな人情噺として人気を取りそうな気がするのだけどどうだろう。それから豊臣秀吉がわずかに登場。彼は反乱者として明の時代には認識されていたらしい。そうか、しょぼい反乱者だったのかと笑う。2026/09/25
さとうしん
18
『三言』傑作選的な訳集だが、訳文がこなれていて読みやすい。歴史ネタでは明代の著名文化人唐寅の話や三国英雄前世譚が収録されている。個人的に面白く読んだのは「厄災書生の出世」。主人公が世話になった人々が絵に描いたように尽く不幸に見舞われるのに清々しさすら感じられる。ただ、各作品の表題は原題を生かしたものにしてほしかった。続集も予定されているようであるが、『二拍』の方の傑作選も読んでみたい。2026/07/25
るる
2
落語「紺屋高尾」の元である「花魁と油売り」を含む短編説話集。基本的には因果応報、正しく賢い男が苦難を乗り越え富を手に入れてハッピーエンド。相思相愛の美しい女を妻に迎え大団円。みたいな話が多い。そのバリエーションを楽しむ感じ。2026/10/26
Decoy
1
何という面白さ! 7篇すべて楽しいが、まず最初の「真珠の肌着」にびっくり。かなり明け透けな艶笑譚(『デカメロン』を連想)だが、偶然に偶然を重ねて(これがご都合主義でなく、世の中の不思議さを感じさせる)、予想だにしなかったステージまで連れていかれてしまい(『ラブイユーズ』を連想、「三言」がバルザック『人間喜劇』に近いと思ったら解説にもそう書かれていた)、唖然。「花魁と油売り」も、しみじみいいお話。「紺屋高尾」の元ネタを読めてうれしい。当然、怪異小説編の方も読む!2026/10/23




