出版社内容情報
(一)―(三)の訳者(小野忍)急逝のため中断していた『西遊記』が新しい訳者にひきつがれた.花果山にいた孫悟空も一行に加わり,天竺への旅は再開された.だが道は遠く,次々と現れる妖怪が行手を阻む.この物語の魅力の一つは,彼らを悟空が秘術を尽してやっつけるところにあり,どこから読んでもその面白さが満喫できる.
内容説明
ふたたび師弟みなみな心をひとつに西方をめざす。平頂山蓮花洞の金角・銀角は、その肉を食らえば不老長寿はまちがいなしという三蔵を狙って策をめぐらす。まんまと須弥山、峨眉山、泰山の下敷きとなった悟空は師匠を案じ、こぼれる涙は滝のよう。改版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
146
孫悟空はヤンチャな悪い猿だから、立派な三蔵法師の西への修行の旅にお供するも、悪さをするので頭の輪っかを締め付けられる…、なんていう今までの認識をすっかり改めなくては。ヤンチャで悪さは猪八戒の専門だ。三蔵法師は全くなってないお坊さん。小さい子供みたい。悟空は悪くなくても濡れ衣で頭を締め付けられるのに、山の下敷きになっていた自分を助けてくれたご恩を忘れないいじらしい猿だった。それと、3巻くらいから、訳の言葉遣いがいくらなんでも悪すぎるように思える。途中に入る詩でバランスを取っている感じ。さあ悟空、頑張れ。2017/09/22
藤月はな(灯れ松明の火)
60
「何かと攫われる三蔵法師」が成立していたのはその肉を食べれば不老長寿という特典がつくからだった!何、その不利すぎる特典!?その為、妖怪には付け狙われるものの同族の人間には侮られがちな三蔵法師。そんな師匠を守るべく、妖怪を退かせ、節穴な人間にお灸を据える悟空が健気すぎる。一方、三蔵法師は相変わらず、悟空たちを見下していて読む度に好感度がどんどん、下がっていくな・・・。烏鶏国篇は中華版『ハムレット』かなと思いきや、理不尽な真相に吃驚。お灸を据える為とはいえ、人界と神界では時間の長さが違う事を考慮してくれ!2025/04/20
セウテス
56
悟空の破門がとけて、一行は再び西を目指す。今回の敵は、物語の中でも最も有名な金角と銀角が登場する。お互いより強いものに変化しての戦いも一進一退、悟空も計略を使って闘うが、何度も囚われてしまう。名前を呼ばれて返事をしたが最後、小さな瓢箪の酒壺の中に吸い込まれてしまう宝具での戦いは、子供の頃から本作のベストバトルの一つです。この武器のアイデアも、いろんなアニメに使われているし、斉天大聖が敵として登場するメガテン系のゲームも在る。日本人が戦隊もの等チーム戦を好むからこそ、ここまで身近な物語であるのかも知れない。2018/01/17
ビイーン
27
4巻はお馴染みの金角と銀角が登場する。名前を呼ばれて返事をすると、ひさごの中に吸い込まれる話はあまりにも有名。原作の三蔵は相変わらず八戒の言動に惑わされて緊こ呪を連発して唱えているし、八戒はゲス極まり、沙悟浄は影が薄い。悟空一人が凄く苦労しているようにみえる。色々と発見があって面白いかな。2020/03/03
デビっちん
23
悟空の破門が解け、西遊記では有名な金角・銀角との戦いがありました。琥珀浄瓶、七星剣、芭蕉扇、幌金縄、紅葫蘆という5つの宝具はどれもユニークなモノでした。芭蕉扇って風ではなく火を起こすモノだったんですね。悟空や沙和尚が月による自然界の運行法則を三蔵に説いているところが心にグッときました。手印と真言で神様を呼び出せたり、金鍛丹で死者を蘇らせたりといった記載もありました。物語は三蔵が紅亥児にさらわれ、救出に向かうところで続きは次巻です。2016/12/03
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