出版社内容情報
(一)―(三)の訳者（小野忍）急逝のため中断していた『西遊記』が新しい訳者にひきつがれた．花果山にいた孫悟空も一行に加わり，天竺への旅は再開された．だが道は遠く，次々と現れる妖怪が行手を阻む．この物語の魅力の一つは，彼らを悟空が秘術を尽してやっつけるところにあり，どこから読んでもその面白さが満喫できる．
内容説明
沙悟浄も加わり、ますます賑やかな一行。しかし団体さんにもめごとは付きもの、悟空がかっこよく妖怪を片づけるのが、荷物かづきの八戒には面白くない。雄ブタの嫉妬は禍のもと、嘘をふきこまれた三蔵は、師匠思いの一番弟子をとうとう破門する。新訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
139
定石通り、お騒がせの上で沙悟浄が加わる。三蔵法師のお供は、孫悟空、猪八戒、沙悟浄の3人かと思っていたのだが、2巻を読んで、孫悟空の後に加わったのは馬にされた龍なのに、他のお供と違って人格がほとんど見えてこなかった。この巻終了間際の危機にようやく自らの意思で事に当たろうとする馬＝龍太子。ところで、物の本質も見抜けず、めそめそしてばかり、人としての大きさも感じられない三蔵に、ほとほと愛想がつきてきた。こんな人につかえるのは、私はイヤだな。2017/09/21
セウテス
54
沙悟浄が仲間に加わり、これでメインキャラが揃った。一人一人個性在りすぎ、自我が強すぎ、これでは問題起きますよ。猪八戒の口車に乗せられて、孫悟空を破門してしまう三蔵。しかし悟空が居ないとパーティーレベルがグッと下がる訳で、肝心の旅が先に進まない。きんと雲で移動しないのは、修行の為かと勝手に思っていたが、実は三蔵法師だけが乗る事が出来ない為なのだ。つまり悟空たちは動物の様な姿になっても霊的な存在な訳で、三蔵法師だけが人間であり俗物的である為、重たいから乗れないのだ。と考えるなら、三蔵のキャラも仕方の無い処か。2018/01/17
藤月はな（灯れ松明の火）
51
沙悟浄も合流し、遂に西遊記メンバーが揃いました。しかし、ここで「よく、攫われる三蔵法師」も発動してしまったのです・・・。冤罪を掛けられた上、痛めつけられ、追放され、同族のサルたちからは「また、いてほしい」と嘆願されても一線は超えなくなった孫悟空にホロリとしてしまう。一方で読者の苛立ちを募らせるのは、三蔵法師だろう。特に彼の場合、相手を下に見、頑なさゆえの身勝手さを自覚してないだけに性質が悪い。大仙が三蔵法師を「一番、偉そうだから最初にぶっ叩け」というのも当然の事である。そして今回のMVPは白馬に間違いなし2025/04/06
NAO
47
沙悟浄に会い、ようやく旅の仲間が勢ぞろい。人参果を盗み食いした上に木を枯らしてしまうというドタバタ騒ぎのあとは、八戒の讒言で悟空が破門されてしまう。確かに悟空は口は悪く、短気でがさつで乱暴だけれど、自分のために一番働いているのは悟空だということがまるで分かっていない三蔵。八戒、沙悟浄まで雲に乗って空を飛べるというのに、ただ一人雲に乗れない人間三蔵は、人間だからこそ昏く、頑迷で、間違うことも多い。だからこそ、取経と解脱のためには多くの試練を乗り越えていかなければならないのだろう。2016/01/31
mii22.
43
(第二十一回から三十回)沙悟浄も加わり賑やかながらチームワークは最悪な一行は何はともあれ西天を目指す。気の弱い善人三蔵は相変わらず頼りないことこの上ない(イライラ)女好き八戒はあほんだらでおたんちん(そうよぱれている)存在感ない悟浄(そう悪いやつではなさそう)困った時の観音様(簡単に助けすぎ)口は悪いがお師匠さんのことを一番助けているのはやっぱり悟空だ。三蔵よ、八戒に騙されて悟空を破門にするとは修行が足りん。しっかりせよ！2016/11/11
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