岩波文庫<br> 紅楼夢 〈6〉 (改訳[版])

岩波文庫
紅楼夢 〈6〉 (改訳[版])

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  • サイズ 文庫判/ページ数 350p
  • 商品コード 9784003201862
  • NDC分類 923.6

出版社内容情報

才貌ともに秀れた若き貴公子・賈宝玉と彼をめぐる大勢の美しい少女たちとの間に絵巻物さながらにくり展げられる恋物語.これは清朝の権門に生れ育った曹雪芹(一七一五?―一七六三)が一門の栄華と没落の体験の上に築いた「空中の楼閣」であって,実は甘美この上ないこの一大ロマンの裏側には作者の熱い血と涙がこめられているのである.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かごむし

31
「紅楼夢」の世界は、完成した非常に繊細で美しい世界である。遠くから見てもキラキラと美しいのはもちろん、どの部分をズームしても、そこには実際に生きる人たちの息吹が聞こえる。6巻もさまざまな角度から賈家に光があてられるが、そのたびに新鮮な人間模様が映り、読むものを飽きさせない。正直、感想を書くのはもちろん、感想を抱くのもものういような感じになっている。あなたは普段、どんな生活を送ってますか?と聞かれた時に、えっと、特に特別なことはないですよ。当たり前に生きてます。ただ、まあ、とても充実してます。という読後感。2017/03/04

みつ

21
宝玉と黛玉の恋愛物語はますます停滞。黛玉が蘇州に帰るとの冗談を間に受け宝玉がひどく取り乱す場面がある程度(第五十七回)。登場場面も減り、探春と宝釵の他侍女の平児が中心の巻。年末の祖先のお祭りに多額の出費をすることもあり、毎年数千両の赤字が生じているとも(p86)。1両がどのくらいの価値かは、賈環たちが家塾で使うお金が1年で8両(p159)から察するに相当多額。一方で貢物の目録(p82)は贅沢な暮らしぶりが見えてくる。探春は経費節減を検討し(第五十六回)、家では俳優として抱える十二人に暇を出そうとする。2024/07/17

壱萬参仟縁

19
各巻冒頭は挿絵が何枚か 描いてある。 「わしが少し贅沢をすれば それだけ(出費が)出るが、 少し我慢すれば、その分 金は浮くわけだからね」(85頁)。 今は、相当、かなり、 贅沢を慎み、 限界まで我慢させられている。 格差社会の象徴を、 今のW杯のプレーでも見せられている 感じもする。  「なんといっても田舎の人は正直 だからね。表面(うわべ)だけ 見て裏面のことはわからないのだよ」 (86頁)。 現代は特殊詐欺で正直者が 騙される悪魔の碾臼。  2014/06/25

ELW

2
 ご隠居が鳳求鸞をあらすじからぶった切るのは、どうなんだろ。古典も新奇も機を得ないと。しかし、宝玉に共感することは困難。あと、劇団解体はともかく、少女たちを甘やかす気が知れない。『比類なきジーヴス』を読んでおいてよかった。2015/08/06

秋良

2
全体的に宝玉の影が薄く、良くも悪くも女の子たちが強い。お嬢様となめられた探春が逆に相手をやりこめるのがかっこいい。2012/06/13

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