出版社内容情報
才貌ともに秀れた若き貴公子・賈宝玉と彼をめぐる大勢の美しい少女たちとの間に絵巻物さながらにくり展げられる恋物語.これは清朝の権門に生れ育った曹雪芹(一七一五?―一七六三)が一門の栄華と没落の体験の上に築いた「空中の楼閣」であって,実は甘美この上ないこの一大ロマンの裏側には作者の熱い血と涙がこめられているのである.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミュポトワ@猫mode
37
図書館本。なんか飽きてきた。同じような話が多くてね、頭に入っていかないんですよね…しかも登場人物が5人ぐらい一気に増えた…もう覚えられないよ…読んでる途中でさえ、この人誰だっけ状態なのに、名字がないとどこの親戚だか訳が分からなくなってくる…これが紅楼夢だって言われればそうなんでしょうけど、もちょっと読者に親切でもいいんじゃないですかね?3回読まないと理解できないってのもよくわかるかも…長いからだれちゃうんだよね、これ…続きも読みますけど、そろそろなんかあってほしい…飽きてきた、マジで…2019/08/03
かごむし
26
これまで丹念に描かれてきた登場人物たちが、複雑に繊細に絡み合い、まるで美しいハーモニーを奏でるかのようだ。「紅楼夢」は僕にとって、体力の必要な読書である。一つの出来事であっても、多くの人の視点を使い分けて理解したいし、著者が書き込んだ微かなサインも見逃したくない。緊張感と集中力が必要なのである。物語自体は、読みやすいし、軽快なテンポで進んでいくので、筋を追うだけならいくらでも読める気もするのだけど、頭が疲れてきたら本を置いた。長編なのだが巻を追うごとに、いつまでも味わっていたい浸っていたい思いが強くなる。2017/02/25
みつ
22
前巻に続き、劉ばあさんを巡る楽しい描写が続く。相当酔っていた様子で、壁に描かれた絵の娘を本物と間違える、鏡の中に映った自分の姿をそうと認識できず話しかける、など(p35以下)。茄子料理(p17)、妙玉自慢の水(p30)、画材の列挙(p71)など興味深い話題も満載。相変わらずバイタリティ溢れる王煕鳳の誕生祝いの混乱や黛玉と宝釵が友人関係になるなど物語的な要素もあるが、それよりもある種他愛のない会話やいつ果てるともない詩の会など、爛熟した文化の中にゆったりと身を置くことが、この小説を楽しむ鍵とようやく分かる。2024/07/15
壱萬参仟縁
21
黛玉曰く、 「男の人でも、ご本を読んでいながら 物の道理がわからないと、ご本 なんかいっそ読まないほうが ましだと言われますでしょ」(56頁)。 身につまされるな。 読むべきか、 読まざるべきか。 読まなくてもすむなら、 それにこしたことはないが、 読む癖がついてしまった。 読まない方がもやもやしてしまう。 「嘘をつくのはあの止り木にとまっている 鸚哥(いんこ)だけですよ」 (240頁)。 鸚哥は嘘つきなのか? 誰かが嘘をついたのを覚えていたのか? 2014/06/24
山陰 柴
4
異文化の旅は貴族階級=官僚の大家(荘園内)に使用人、妾、親戚の10代の男女が暮らす。田舎の親戚の婆さん、劇団員らが取り巻く。問題が起これば大婆さんが解決し取り仕切る。世帯主の色好みはあって当たり前の世界で大婆さんも承知で大きな問題にしなくおさめてしまう。季節は暮れに近づく頃、庭園は大雪。貂(テン)、灰鼠(チンチラ)、白狐(キツネ)の毛皮で身を包み、羊の毛皮の靴を履く。食べ物は蟹やら鳥、鹿肉の料理。麺菓子(小麦粉を揚げた菓子)、鵞鳥の油を塗り小麦粉の材料の蒸し菓子、陶器にもこだわる。中華料理の原点です。2022/03/16