出版社内容情報
才貌ともに秀れた若き貴公子・賈宝玉と彼をめぐる大勢の美しい少女たちとの間に絵巻物さながらにくり展げられる恋物語.これは清朝の権門に生れ育った曹雪芹(一七一五?―一七六三)が一門の栄華と没落の体験の上に築いた「空中の楼閣」であって,実は甘美この上ないこの一大ロマンの裏側には作者の熱い血と涙がこめられているのである.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かごむし
28
1巻の終わりくらいから自覚症状はあったけれど、紅楼夢中毒と言うべき病に侵されているらしい。紅楼夢を読んでいる時は、紅楼夢の世界に没頭し、紅楼夢を読んでいないときは、早く紅楼夢の世界に戻らないといけない、という焦燥感に苛まれている。一行一行、いとおしむように、なめるように読んでいるのだが、それでもページがあっという間に進んでしまう。日本ではあまり有名じゃないけれど、なんでこんなに面白いものが広まってないのか不思議に思うから、紅楼夢の面白さを多くの人に伝えたいけど、中毒患者になるリスクもあるから躊躇している。2017/02/01
ミュポトワ@猫mode
27
図書館本。紅楼夢2巻目です。この紅楼夢は全12巻、120話のお話ですが、早くも登場人物が多すぎて誰が誰やら…一応、家系図が後ろに載っているので、そこに載っている人は把握できるのですが、そうじゃない人もたくさん出てくるから良くわからないwなので、主人公とその周辺の人はよく出てくるので良くわかるのですが、何話か前に登場した人がぽっとでられても誰だっけ?ってなるw1回読んだだけじゃわからないって言われるのも良くわかりますwでも、この訳は好きです。俗っぽくてwまた、詩も漢詩なのでそれほど苦労しませんしねw2019/04/18
みつ
20
第1巻と同じ賈家系図が巻末に掲載されているが、もっぱら「金陵十二釵」(十二人の美女)中心であり、男性登場人物のかなりが抜け落ちているので、別の解説書のもので補う。それでも活発で魅力的な侍女たちについては記述がなかったため、こちらはWikipediaの解説が頼り。物語はゆるゆると進むが、主要人物のかなりがこの巻で死去。一方、主人公宝玉の姉元春は皇帝の貴妃となり、里帰りの彼女を迎えるための大造成から絢爛を極めた宴の様子までが詳細に語られる。登場人物が次々に漢詩を披露する様は確かに『源氏物語』の世界に共通する。2024/07/12
壱萬参仟縁
18
貴妃は、「貧乏な農家などでは、 食事も着物も粗末でございましても、 天倫のたのしみを遂げることができます。 (略)富貴を極めておりましても、 親子兄弟生きわかれとなっていますこと を思いますと、ほんとに悲しゅうございます (201頁)。 貧富の差が幸せを生まない。 貧者、富者、それぞれに、悩みは 別々にある。 2014/06/24
999
3
まあまあだった。王熙鳳がとても魅力的に思えた。こうした人もなかなか好きになれる。林黛玉も魅力的だった。というのも[情]が書かれていると言う程なので感情の起伏が分かる言葉を連ねるのでキャラクターの思いが分かりやすい。だからこそ魅力的に思えるのだろうと考えた。楽園を模した園の詩はなかなか趣があって素晴らしいと思う。これを読んでますます漢詩に興味を持った。今度読んでみようと思う。まだ10巻ほど残っているのでどんな漢詩が読めるだろうかと楽しみも出来た。2018/06/03