出版社内容情報
魏・呉・蜀三国対立時代の中国.変転きわまりない局面のなかで,劉備・関羽・張飛の義兄弟と師孔明,あい対する曹操・曹丕の親子,また孫権など,知力と武勇のかぎりをつくして戦う英雄豪傑たち.そしてついに晋に統一されるまでを描いた一大ロマン.気品ある清麗な名訳に北斎門下の鬼才葛飾載斗の版画を多数加えた完訳決定版.
内容説明
冬のさなか、劉備は諸葛孔明の教えを乞おうと臥竜山にむかったが、二度とも会うことができない。年改まったある吉日、三たび孔明をたずねた。劉備の、世の乱れを憂える真情と「三顧の礼」に応えて孔明は、彼とともに新野に出、天下の形勢を論じることとなった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
54
この巻の最初の見どころは、「三顧の礼」。これによって、曹操・孫権に遅れをとっていた劉備が、諸葛亮孔明を迎え入れ、力をつけていくことになる。曹操に追われ、劉備が新野を逃げていく場面も、大迫力の見どころ。劉備の子を懐に入れて戦う趙雲のなんというかっこよさ。2020/04/01
優希
38
三顧の礼、諸葛孔明登場、赤壁前夜と三国志前半のクライマックスと言える要素ばかりです。2024/01/18
読書実践家
7
諸葛孔明の落ち着きは映画レッドクリフを思い出させた。2016/03/25
qoop
5
義に生きる劉備の不器用さがクローズアップされ、その魅力が歯痒さとともに伝わってくる本巻。曹操の強大さ・専制君主ぶりとの対比はお互いを良く照らしあう。今ひとつ時間経過が分からないまま読み進めたため曹操が老いぼれ呼ばわりされているのが意外に感じて戸惑ったが、ここまでで開幕から二十年以上経っているのか。軍記的なエピソードをつなげ個人に焦点を当てて書かれる史劇では、中年から初老にかけての登場人物の老いを感じるのは難しいのかも。2020/03/21
ZEPPELIN
3
第三巻は赤壁の直前まで。三顧の礼も有名だけれど、個人的には長坂での趙雲を選ぶ。自らの責任を感じ、孤軍奮闘の活躍で阿斗を救い出す。かっこいいじゃないですか。しかし、趙雲が死ぬ覚悟で救出してくれた息子を、「こんな奴!」と地面に投げ付けてしまう劉備。この人、自分の子供を何だと思ってるんだろうか。緊急時には平気で妻を捨てて逃げるあたり、家族への責任感は皆無。それに比べ、曹操の謀略に見事に騙された息子に幻滅し、首を吊ってしまう徐庶の母君。こちらの方がプライドという面では数段上である2015/02/15
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