出版社内容情報
露伴(一八六七―一九四七)という巨人にはどう接近したらいいのか.永年その作品に深く親炙してきた編者が広義の随筆から秀作を選んで「考証篇」「言語篇」の二冊を編み,詳注を付すことでこの難問にこたえる.真実の確定もさることながら,露伴は何よりも考証や論証の過程そのものを大いに楽しんだとおぼしい.
内容説明
露伴という巨人にはどこから接近したらいいのか。永年その作品に深く親炙してきた編者は広義の随筆から秀作を選んで「考証篇」「言語篇」の二冊を編み、詳注を付すことでこの難問にこたえる。真実の確定もさることながら露伴は何よりも考証の過程そのものを楽しんだとおぼしい。「白芥子句考」など19篇。
目次
梅と菊と菅公と
上古事記表
蝸廬雑談
炭と灰と
日本の遊戯上の飛空の器―ドクトル・ミュルレル氏のために
白芥子句考
一瓶の中
しま
歌合
書名の戯れ
和合人和合神
『遊仙窟』
囲碁雑考
象戯余談
怪談
沙糖
『列子』を読む
『春秋左氏伝』の称の非
『春秋』三伝と孔子生歿
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
18
私のような阿呆には難解で仕方がなかったのです・・・。漢学の素養がないから。ついていけない。これ、下巻もあるんだけどどうしよう。2015/08/23
壱萬参仟縁
14
漢文も多彩に展開する。難解な文章である。佐藤信淵(ひろ)氏の農書(33頁)。灰と炭の字義が説明される。蒲生氏郷(うじさと)が出てくる(117頁)。市民大学院でも二宮尊徳の研究でも取り上げられた人なので、覚えておきたい。「古の油筒をうつして水仙を挿し、山科の丿(べち)貫(かん)は、竹の糊壺そのままに朝顔を生けたりといへば、花器ならぬものを用ゐるも風雅の余りなり、これも強ひては悪むべからず」(117頁)。しまの字義はすぢ、柳条の条(145頁)。中国の宋代、明代など人名かなり出るため、難解。支那人は平和と道徳→2013/10/03