内容説明
詩、童謡、童話の創作にも才能を発揮し、詩画を融合させた芸術を開花させた竹久夢二(一八八四‐一九三四)の詩一一五篇を、挿画とともに収録する。そのほか、夢二の芸術観をよく伝えるエッセイと、エピグラム的な断章を日記より抜粋し併収。夢二ファン必携の一冊。
目次
詩(『夢二画集 春の巻』(洛陽堂、明治四十二年)
『夢二画集 夏の巻』(洛陽堂、明治四十三年)
『夢二画集 花の巻』(洛陽堂、明治四十三年)
『さよなら』(洛陽堂、明治四十三年)
『絵物語 小供の国』(洛陽堂、明治四十三年) ほか)
エッセイ(私の投書家時代;草画の事;「病みあがり」の後に;机辺断章;荒都記 ほか)
夢二の言葉
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
155
竹久夢二の詩画集です。私は「宵待草」くらいしか知りませんが、この本を読んでみると結構詩を書いている人物だということがわかりました。エッセイも書かれていて意外な側面を見せてくれています。あまり具体的なイメージはなかったのですが、解説などでこの人物像というのがよくわかりました。いい本ですね。絵もカラーのもあったりして手元に置いておきたい本です。女性向きのような気はしますが。2016/11/03
藤月はな(灯れ松明の火)
80
大正浪漫の代名詞、竹久夢二の詩集。本人は詩人にもなりたかったそうです。素朴な口調での紡がれる幼き日への懐古や憧憬、恋する苦しさや喜びが素描だが魅力的な押絵と共にあります。特に「鍵」での「女の心つていふものは、たつた一つの鍵であけなきやあかないものよ。それを合鍵であけようてのは、すこしむしがよすぎるわよ」という言葉は、女心の思い切りの良さと同居する複雑さを象徴していて頷くことしきり。こういうことがさらりと書ける男は女にさぞや、モテたんだろうな・・・。2016/10/26
ヒロミ
72
竹久夢二の詩にモノクロの挿絵がついた詩画集。まとめて読むと結構なボリュームでした。リリカルで繊細な詩はまだ触れたことのない心の何処かが刺激されます。同時収録されている夢二のエッセイが意外にも面白く読めました。画学生時代に1日で5冊のクロッキー帳を描き潰したとかかなりの努力家なんだなあと驚きました。「芸術の技巧は時代と共に進歩に限りがない。科学はますます技巧を助けるだろう。」など昨今のデジタル作画をも見透したような冷静な一文も。夢二が今生きていたらPhotoshopと液晶タブレット導入でフルデジ化してそう。2016/10/13
HANA
62
竹久夢二の画家だけではなく、詩人としての一面を知る事の出来た一冊。抒情詩、少女詩、童謡と夢二の数々の詩が収録されているが、気に入ったのは何といっても童謡。今まで見慣れていた夢二とは違ったタッチの挿絵と共に、見ていて読んでいて何とも優しい気持ちになれる。抒情詩も対象独特の浪漫に満ち溢れていて、名高い「宵待草」もいいが「悪縁」もまた心に残る。それに詩もいいが、何といっても添えられている挿絵が素晴らしい。版画風のあり、ペン画あり、童謡は素朴な味わい。夢二の画と詩の魅力を、余すところなく伝える一冊でありました。2016/10/16
かめりあうさぎ
45
初読み作家さん。竹久夢二美術館にて購入。詩とエッセイを纏めた一冊で、昨年から少しずつ読んでいました。夢二の絵が好きなのでたくさん載っていてうれしいです。文庫になっているものありがたい。巻末の年譜もかなり興味深く、やはりこれだけの絵と詩を綴るなりの人生を歩んでいるなと。個人的には、3/11のこの日に関東大震災についてのエッセイを目にしたことに驚いています。美術館には貴重な作品が多く展示されているのでこちらもお勧めです。2019/03/11
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