出版社内容情報
時代と空間を超え、現代人の心に響く詩歌の宝庫として好評を得ている『折々のうた』。その中から、三六五日それぞれにふさわしい詩歌を著者みずからが選び抜き、鑑賞の手引きと作者紹介を付しました。凝縮された表現に秘められた想いを、こまやかな感性で的確に読み解く、一年を通して楽しめる一冊です。(解説=堀江敏幸)
内容説明
時代と空間を超え、現代人の心にひびく詩歌の宝庫『折々のうた』。その中から著者自身が三六五首を選び抜き、鑑賞の手引きを付しました。凝縮された表現に秘められた想いをこまやかな感性で的確に読み解く、一年を通して楽しめる一冊です。
目次
一月
二月
三月
四月
五月
六月
七月
八月
九月
十月
十一月
十二月
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
88
大岡さんの「折々のうた」は朝日新聞連載当時より読んでいて岩波新書、ハードカバーの写真が多い本にされた時も読んでいました。この岩波文庫の本は、元の本は読んでいるのですが、やはりハンディなので再読しました。1月1日から大みそかまでその日や季節に関係ある詩、俳句、和歌などを1ページに配していて楽しめます。通読するのもいいのですが手元において毎日読むのもいいのでしょう。2024/12/20
どら猫さとっち
8
季節、感情、生活…。365日を彩る、古今の日本の詩歌を集めたアンソロジー。朝日新聞で連載された「折々のうた」から、選者である大岡信がセレクト。心に響く詩歌を、一日一首、一句取り上げる。万葉集から近現代まで、ヴァラエティに富んだラインナップで、一日が身近になる贅沢な一冊。詩歌も言葉も日々寄り添って、潤いを与えてくれる。今年最初の一冊になるかと思いきや、かなり日が経ってしまった。2025/02/19
広瀬研究会
6
カラー版でレイアウトがきれい。その毎ページに珠玉の詩や歌や句が収められていて、彦摩呂さんじゃないけれど「宝石箱や〜」と言いたくなってしまう。歌人や俳人の作品にまじって、坂本龍馬の短歌や上杉謙信の漢詩が出てくると「おっ」となる。有智子内親王の漢詩もちょっと意外性があって良かった。待てど暮らせどやってこない不実な男を待つ女が地団駄を踏む様子を「じだじだじだだ じだじだをふむ」と歌う隆達節には笑っちゃったな。2025/01/12
なかすぎこう
3
以前朝日新聞に掲載され、更に岩波新書として出版された、詩歌と鑑賞文、作者の概要を1頁ずつ、日毎にまとめた本。時代別になっていないので、万葉集の歌の次に現代詩の一節が出てきたりする。だからバラエティに富み、読んでいて楽しい。万葉の時代の恋愛の率直な物言い、古今集あたりの風景にかこつけた自分の思い、そして女性ならではの肉感的な sensual な表現などなど。昔ならば理解できなかったであろう事々が今はよりわかるようになった。所々に現れるイラストも心を和ませてくれる。2025/04/04
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