出版社内容情報
デビュー以来,半世紀を超えて人々に喜びと感動をあたえてきた谷川俊太郎(1931─)の二千数百篇におよぶ全詩から,作者自身が厳選した173篇を収録.子どもが読んで楽しめることばあそびから引用文だけで構成された実験的な長編詩まで,さまざまな文体で書き分けられたリズム感あふれることばの宇宙を俯瞰する.(解説=山田馨)
内容説明
デビュー以来、半世紀を超えて人々に愛されつづけてきた谷川俊太郎(一九三一‐)の二千数百におよぶ全詩から、作者自身が一七三篇を精選。わらべうたから実験的な長編詩まで、のびやかで、リズム感あふれる言葉がここちよい谷川俊太郎のエッセンス。
目次
『二十億光年の孤独』
『十八歳』
『六十二のソネット』
『62のソネット+36』
『愛について』
『絵本』
『あなたに』
『21』
『落首九十九』
『谷川俊太郎詩集』
『谷川俊太郎詩集』
『旅』
『谷川俊太郎詩集』
『谷川俊太郎詩集』
『うつむく青年』
『谷川俊太郎詩集』
『ことばあそびうた』
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
115
早熟の天才の多くは夭逝してしまうが、80歳を過ぎても活動領域を広げている谷川俊太郎氏の詩集。二千数百に及ぶ詩の中から自身が選んだ173篇を収録。『オールタイムベスト』のような作品を読み、子供の感性を持ち続け、常に新しいスタイルを生む姿勢はピカソのようだなと感じた。20歳で出版した処女作『二十億年の孤独』を書いたのは18歳の頃と知り驚愕。非常に興味深かったのが25頁に及ぶ山田馨氏の解説。佐野洋子さんとの夫婦の協議に同席するほど信頼が厚かった山田氏の「可愛げがないほど老成を知らない」という谷川評は面白い。2016/05/20
breguet4194q
102
谷川ワールド満載の一冊です。自選なので、他人の目を気にしつつも、世間の評判に関わらず、好みで選んだそうです。生死に関する詩が多く掲載されてたように思います。核心を抉るような内容を詩人らしい切り口で語っています。2025/01/23
tototousenn@超多忙につき、読書冬眠中。
100
この何グラムかの紙束に 谷川俊太郎のエントロピーが 丸められ延ばされ詰まっている 邪馬台国の卑弥呼が 天下統一の夢破れた織田信長が 相対性理論のアインシュタインが 鉄腕アトムの生みの親手塚治虫が 1945年の8月に広島と長崎に暮らした人々が この球のうえで てくてくと もくもくと すすみ スキップしたり でんぐり返ったように 31世紀の未来に暮らす むすめたちも むすこたちが 酸素を吸い、二酸化炭素を吐くように 詰まっている 詰まっている あなたのエントロピーが。2021/03/20
優希
92
自選ということで谷川さんの好きな詩が選ばれているのでしょう。数ある詩のベスト盤という感じです。色々な書き方をするので読んでいてとても楽しいです。豊かな詩の世界は言葉が歌っているような気がしました。色々な言葉が散りばめられているのに、この言葉が選ばれるべきだと思わせる何かがありますね。何度も読んで好きな詩を見つけたいと思います。2015/12/14
chantal(シャンタール)
86
この本を片手に列車で旅する自分の姿がそこに見えているような気がした。車窓を流れるのは山や森や水や季節の花々や青空や星空。それは谷川さんが好きで詩に詠んだものたち。それからモーツアルト。うんちは外させてもらうけれど。美しいだけでなく、なんとなく怖さを感じる詩や老いや死についての詩もある。でも谷川さんの手にかかると死すらも、微笑ましくなる不思議。「一日は夕焼けだけで成り立っているんじゃないから/その前で立ち尽くすだけでは生きていけないから/それがどんなに美しかろうとも」この言葉が何故だか深く深く、心に残った。2020/07/16