内容説明
人間の真実を探求し、現代俳句に大きな足跡を残した加藤楸邨(1905‐93)の全俳句作品約9400から約3000句を厳選する。第一句集『寒雷』から遺句集まで、およそ60年におよぶ作句の全貌に迫る。自己と現実を見つめる視点の斬新さは、いたるところに「詩」を見出して独自の世界をつくりあげた。
目次
句集(寒雷;颱風眼;穂高 ほか)
中国・シルクロード俳句紀行(沙漠の鶴;死の塔;糞ころがしの歌 ほか)
書句集(雪起し)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シンドバッド
4
楸邨が読みを付したものにはルビがあるが、漢字の読みがわからず、漢和辞典がないと進めない(俳句辞典なるものもあるでしょうが所有していない)。これは、文庫本のメリットとは異なる気がする(楸邨の句とは関係が無く、小生の実力の無さの話)。そうはいえ、その漢字が活かされてる。戦中の戦地での俳句は、戦後 物議を醸したといわれるが、この句集では感じなかった。『かたわぐるま』さんの感想の通り、紀行文に近い。2013/05/19
ねね
1
図書館でp142まで2022/10/10
大臣ぐサン
1
加藤楸邨(1905~1993)の俳句集。特に戦中戦後の句が印象深い。敗戦濃厚で知人の戦死報告が次々と届く中、それを俳句に詠もうとする気持ちとはどのようなものだったのか。海外の紀行文は他の俳句集では味わえない雰囲気がある。俳句は苦手だが趣深いものも多く、楽しんで読むことが出来た。読めない漢字を調べながらのろのろと。2012/07/02
星規夫
1
簡潔かつ情感を内に秘めた文体は、自分にとっては理想的と思える素晴らしいものだった。俳句集をまともに読むのはこれが初めてだが、これを選んで良かった。2012/05/28
ゆうちゃんママ
0
「葱の香のまつすぐにきて立ちにけり」すばらしい感性の方ですね。2012/09/28