岩波文庫
浄瑠璃素人講釈〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 342p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003117415
  • NDC分類 768.5
  • Cコード C0174

内容説明

杉山其日庵(1864‐1935)は在野の国家主義者で、人形浄瑠璃愛好家としても有名。本書は竹本摂津大掾・三世竹本大隅太夫・名庭絃阿弥から聞いた話を元に、義太夫芸の「風」(様式)の追究を通じて浄瑠璃に古典芸術としての地位を確立させようとした書。上巻には「傾城冥途飛脚」から「近江源氏先陣館」まで解説50本を収める。

目次

傾城冥途飛脚(梅川忠兵衛)新町封印切の段
鎌倉三代記(八ツ目切)三浦別れの段
心中紙屋治兵衛(上の巻)茶屋場の段
小春治兵衛時雨の炬燵 紙屋内の段
壇浦兜軍記(三段目口)阿古屋琴責の段
和田合戦女舞鶴(三段目切)市若切腹の段
御所桜堀川夜討(三段目切)弁慶上使の段
近頃河原の達引(お俊伝兵衛)堀川猿廻しの段
ひらかな盛衰記(三段目切)松右衛門逆櫓の段〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fonfon

15
杉山茂丸という右翼の大物であった人の破天荒な人生は、鶴見俊輔の著作で読んでいたので、むつかしいホンかな、と、ちょっと構えていたのですが、ここに登場するご本人=庵主、素人浄瑠璃の落語のダンナさんのようでたいそう面白く読めました。特に、後の二代呂大夫にウナギを半年間奢り続けても何にもならなかった、という話には大笑いでした。昔、大阪には、このような浄瑠璃が好きで好きでたまらない人々がたくさんいらしたのですね。WEB上でも読めますのでどうぞ。http://www.oneg.zakkaz.ne.jp/~gara/o2014/02/25

壱萬参仟縁

12
やはり、一部音読してみたが、関西弁は心地よい。「ひらかな盛衰記 四段目切 神崎揚屋の段」(94頁~)では、稽古の話。「芸と云うものは商品のように、今入用(いりよう)やから今仕入ようとしても手に入(い)るものやおまへん」(97頁)。準備しておかないと、いざという時に対応できない。それは、多くの分野に敷衍できることだと思う。用意周到で。素人としては、下巻の解説を読んでから上巻を読むと多少はいいのかも。風 とは古典的行動基準(規矩)である。2013/12/03

rinrinkimkim

2
三浦しをんさんオススメでしたので読んでみました。字が多くて読み応えがあります。にいいいいおおおおくうううられえええ トトン てええええとか義太夫の講釈を字に起こしていらっしゃるがさっぱりわからず。でも義太夫を愛し大夫を愛している気持ちは行間にあふれています。旦那様と呼ばれながらもお稽古でケチョンケチョンにされている。菅四という略に爆笑してしまった。菅原伝授手習鑑四段目の略です。12団(十二代目団十郎)とか役者略かと思ったんだもの・・・下巻に続きます。 読むの大変だけど其日庵先生!悪戦苦闘がおもろー!2015/06/03

Hiromi kuro

1
浄瑠璃の台本は源平合戦時代や江戸時代が入り乱れている、というのを他の本で知る。此の本は浄瑠璃を演じる義太夫(うた方とでも言うのか)さんの芸の神髄を素人の其日庵が説いてみせていく。上巻は何とか読み終えたが・・2020/07/05

鷹ぼん

0
在野の国家主義者であると同時に、人形浄瑠璃愛好家でもある作者が、大正15年に上梓した研究本というか、なんというか…。まあとにかく難物でありました。ただ、当時の人形浄瑠璃界に警鐘を鳴らしている文章が、今の斯界にもズバリ当てはまるものが多く、文楽芸人はもとより、マニアを自負するなら、一度は目を通し、常に手元に置いておくべき逸本ではあるでしょうな。さあ、、、下巻はいつトライしますか…。かなり読破するのに疲労しましたもんですからね(笑)。2013/03/29

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