感想・レビュー
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ネコ虎
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作家野上弥生子が第二次大戦直前の欧州を巡る旅行記。中巻は英国中心に、蘭、仏を旅する。特に英国ではドイツと戦争に入るとのことでの緊張感がよく表れていたが、その他は特に旅先でのエピソードもなく、お城、大学、博物館、公園、芝居等探訪の記述が続く。歴史建造物(ロンドン塔など)の叙述になると俄然面白くなったが、野上弥生子に教養がありすぎなのか、かなり前のことなのに上から目線で欧州を捉えているのが面白い。パリなんかはぼろくそ。しかし、80年ほども前なのに、数か月ものほぼ世界一周とは、なんと優雅な旅行なことよ。2016/01/22