出版社内容情報
長兄鴎外とは対照的な気質の持主で,翻訳に劇評に多彩な才能を発揮した次兄三木竹二の思い出を綴った「次ぎの兄」をはじめ,明治の知的な中流家庭の生活と歴史が,文豪の妹ならではの視点でつぶさに語られる.(解説=中井義幸)
内容説明
鴎外の思い出はもちろん、それぞれに個性的な森家の人々の肖像が生き生きと浮び上がる回想記。特に、雑誌『歌舞伎』を主宰し劇評に新風を吹きこんだ次兄三木竹二について書かれたものは、本書がほとんど唯一の貴重な資料である。明治の知的な中流家庭の生活がうかがえる随筆に、歌、創作なども併せて収録。
目次
不忘記
土山の寺
伊勢路の雨
次ぎの兄
観潮楼の跡
悲しき塚
森於菟に
兄君の最後
黒紋附
墓参〔ほか〕