岩波文庫
新編・おらんだ正月

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  • サイズ 文庫判/ページ数 404p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003115343
  • NDC分類 402.8
  • Cコード C0195

出版社内容情報

江戸時代の蘭学者たちは太陽暦の正月を祝った-「おらんだ正月」である.人物研究の第一人者が年少の読者を想定して著した,医学本草や地理の大家,探検家,発明家,思想家など,50余名の評伝の新編.(解説=外山滋比古)

内容説明

江戸時代の蘭学者たちは、寛政6年11月11日が太陽暦では1794年1月1日にあたるというので、その正月を祝った―「おらんだ正月」である。江戸初期から末期にかけて活躍した医家・本草家・探検家・発明家・思想家など、伊能忠敬・平賀源内・高野長英ら50余名の伝記を平易に説く、名著の新編。

目次

1 新元会―おらんだ正月初聞
2 おらんだ正月(牛に乗って外へ出た仙人のような医者永田徳本;大貿易家で大土木家を兼ねた角倉了以;一派の鍼術を興した検校杉山和一;奥羽に水路を開き畿内に河を治めた河村瑞賢;博物学者としてもすぐれていた貝原益軒;関流算法の祖と仰がれる関孝和;わが国に本草学を開いた稲生若水;対馬全島の猪を狩尽した陶山訥庵;湯熊灸庵とあだ名せられた大医後藤艮山;荒川・多摩川・酒匂川を治めた田中丘隅 ほか)
3 番外二篇(わが国マッチ業の父と仰がるる清水誠;古今独歩の碁の名人本因坊道策)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

14
貝原益軒。幼少から物覚えがよく、7歳で仮名の物語を一人で拾い読み。9歳で兄から漢詩を教わり、諳記(あんき)、一生忘れず(49頁)とは驚異。松岡恕庵。質素でも吝嗇でもなく、役立つ書物は金を惜しまず買ったという(84頁)。苦学。書庫を2棟建てて、一つは日本の書物。一つは支那の書物を所蔵し、弟子に自由に見させた(84頁)。弟子思いは見習いたい。高野長英。42歳で獄に火事が起き、罪人は一時放たれた。鎮火しても長英は帰らず(330-1頁)。外山滋比古先生の解説では、本書は昭和13(1938)年初出(396頁)だと。2013/09/16

氷柱

4
1131作目。1月6日から。明治の偉人について丁寧に描かれた一作。(50年近く前の)10代後半~20歳向けの体裁になっているのでかなり親切な書き口だ。小難しい部分はなくどぎつい表現もないので一遍一遍はさくっと読むことができるがボリュームは見かけ以上に分厚い。明治期はオランダ語、医学の2点の研究が最先端であったことが見て取れる。その他、天文学や兵法などの話も出て来るのであらゆる方面を一口ずつかじることができ、満足度がかなり高い。志を高く持とう。2025/01/11

Sasami

3
元々子供向けに書かれたものらしいが、大人でも充分楽しめる内容になっている。江戸文化に興味がある人なら読んで損はない。自分も頑張らなくては、と思わせてくれる本。2013/02/15

amanon

3
この本について言いたいことは、ほとんど外山滋比古氏が述べておられるがあえて…とにかく一見なんのことか?と思われるタイトルが良い。何とも言えずハイカラでなおかつ丸みを帯びて気が和む。もともとは少年のための科学誌に掲載されていたまとめたと物ということで、それなりに読みやすいとはいえ、内容は相当に濃密で、今時の子供には理解しがたい要素が多々ある。しかし、この書を大人達の慰み物にとどめておくのは惜しい。今一度詳細な解説を付記するなど少年少女向けに編集し直したものを世に問うて欲しいと思う。2008/10/22

sayapea

2
江戸時代に活躍した学者などの少年向け伝記。自分のなじみのあるところでは永田徳本・杉山和一・貝原益軒・後藤艮山・山脇東洋・吉益東洞・杉田玄白・佐久間象山など。当時情報の少ない中で知識を身につけていくことの困難さや、それをものにして人のために働こうという熱意などに思いを馳せながら読みました。巨人の肩に乗ってることに感謝せざるを得ないです…2020/07/25

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