出版社内容情報
イソップ,グリム,アンデルセンの日本初紹介の作品をはじめ,日本の児童文学に新しいページを開いた『赤い鳥』の傑作など児童文学の名作を精選.上巻には,巌谷小波「こがね丸」,小川未明「赤い船」等十七篇,下巻には,芥川竜之介「蜘蛛の糸」,宮沢賢治「オツベルと象」,新美南吉「牛をつないだ椿の木」等二一篇を収める.
内容説明
大正7年7月、鈴木三重吉によって創刊された『赤い鳥』は、日本の児童文学に新しいページを開いた。下巻には、この『赤い鳥』に掲載された芥川竜之介「蜘蛛の糸」、有島武郎「一房の葡萄」等の作品をはじめ、島崎藤村、浜田広介、宮沢賢治、内田百〓、坪田譲治、椋鳩十、新美南吉など大正・昭和の名作21篇を収める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
19
こういう本、大好きです。芥川の「蜘蛛の糸」から始まり、有名な文豪の児童向け文学の宝石箱で楽しいです。当時の子供が、どんな格好で、どんな気持ちで読んでいたんだろうと、胸踊ります。2016/05/27
naotan
14
書店に上下巻並んでいて、下巻の方が懐かしく読みたい作品が多かったので、こちらを先に読んだ。本書収録の「蜘蛛の糸」には鈴木三重吉による修正が加えられているらしく、芥川オリジナルと読み比べてみたい。2019/09/05
ぱせり
12
そうして、このあと60年以上が過ぎました。この本の続きがもう一冊できあがってもよいくらいに、ずいぶんと児童書の世界も変わったなあと思う。現代の児童書は、この本の一番新しい作品とは、文体も違うし、児童書としての意味も、きっとちがっているのではないかな。この本の続きを20篇選ぶとしたら、誰の何を入れましょうか? 2012/06/01
魔李亜
7
本日、川崎市立図書館にて借りました。 蜘蛛の糸だけが読みたかったので単行本を探しましたが無かったのでこの本に蜘蛛の糸が載っているので読みました。 長編作品だと思っていましたが短編作品だったので読みきれました。2016/03/18
スローリーダー
6
9割方初めて読んだ。多くの子供たちに滋味溢れるこれらの優れた作品を読んでもらいたい。三人兄弟(菊池寛)、笛(小島政二郎)、三人の百姓(秋田雨雀)、でたらめ経(宇野浩二)、ある島のきつね(浜田広介)、がきのめし(壺井栄)が良かった。中でも「でたらめ経」は愉快。宇野の後書きが又ふるってる。「この話の面白いところは岸辺先生のもので、下手なところは私のせいです。」そんなことはない。上手すぎます!2017/06/23