出版社内容情報
朔太郎の『月に吠える』に衝撃を受け,ヨーロッパのシュールレアリズムの運動にふれて詩人として出発した西脇順三郎(一八九四‐一九八二)は,伝統や因習に因われない詩的言語の新しさによって,日本の近代詩のスタイルに大きな影響を与えた.処女作『Ambarvalia』をはじめ,『旅人かへらず』『失われた時』等から代表作を収める.
内容説明
萩原朔太郎やヨーロッパのシュールレアリズム運動にふれて詩人として出発した西脇順三郎(一八九四‐一九八二)は、伝統にとらわれない詩的言語の新しさで、日本の近代詩のスタイルに大きな影響を与えた。『Ambarvalia』『旅人かへらず』等から代表作を精選。
目次
『Ambarvalia』から
『あむばるわりあ』から
『旅人かへらず』から
『近代の寓話』から
『第三の神話』から
『失われた時』から
『豊饒の女神』から
『えてるにたす』から
『宝石の眠り』から
『禮記』から
『鹿門』から
『人類』から
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KI
28
寂しい理由など、わかりすぎるくらいにわかってる。2019/12/27
ドン•マルロー
20
言葉の宝石箱というよりは、子どものおもちゃ箱をイメージした方が似つかわしい。しかし、雑然たる様相の中に絶妙な均衡が成立し、かつ一種のグルーブ感さえ生じるような、いかにも洗練されたおもちゃ箱をだ。2018/05/30
ロビン
16
西洋文化の深い教養をのぞかせながら、不思議に素朴な、どこにでもある単語を、マグリットの絵のような、新鮮な組み合わせや並べ方で配して、時に象徴主義的、時にシュールレアリスム的、時に「意識の流れ」的に詩作された、14ある西脇の詩集から編まれたアンソロジー。「宝石の眠り」とか、おおと思わせる表現が光る一方で、「あんぱんとラムネともなか」、ここまで平凡な事物を3つ並べたりしてすごいなと思った。変な気取りがあったらできない。詩論からも素朴で素直な印象を受けたが学識を衒うこともなく、永遠の庭でイメージと戯れている。2025/06/24
しろうさぎ
12
一年近く枕元に置き時々ぱらぱらめくっていたが、ついに挫折。「ノーベル文学賞候補」というエピソードにスケベ心を起こした、私のような浅学な読者など完全に拒否されている。辞書をひかなければならない単語が日本語・外来語取り混ぜ頻出し、それがまた本来とかけ離れた文脈で使われるので、時間と気力を使い果たし、とても詩情を味わう境地に至らない。なんとなく直観的にわかったような気がしたのは「旅人かへらず」くらい。老後に勉強を目論んでいる英詩も、同じ羽目になるかもと落ち込む。あきらめて次へ行きます。2023/02/09
イボンヌ
11
溢れる引用などで難解ですが、穏やかに感じられます。時々読み返したい。2017/03/08