出版社内容情報
斎藤茂吉に師事,『歩道』を主宰して戦後歌壇の第一線を歩んだ佐藤佐太郎(一九〇九‐八七)は,子規以来の万葉調,写生を基調として,短歌の詩性,芸術性のあらゆる可能性を希求する「純粋短歌」を完成,独自の境地を切り開いた.都会生活の憂愁を歌う第一歌集『歩道』から雄豪な歌境に達した晩年の『星宿』『黄月』まで全歌集より一四五一首を厳選.
内容説明
斎藤茂吉に師事、『歩道』を主宰して戦後歌壇の第一線を歩んだ佐藤佐太郎は、子規以来の万葉調、写生を基調として、短歌の詩性、芸術性のあらゆる可能性を希求する。「純粋短歌」を完成、独自の境地を切り開いた。都会生活の憂愁を歌う第一歌集『歩道』から雄豪な歌境に達した晩年の『星宿』『黄月』まで全歌集より1451首を厳選。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
102
こういう歌集を読むと、短歌が好きでよかったと思うし、短歌と言う文学の形式の素晴らしさが、よく分かる。地味な作風で、恋の歌はほとんどないし、自分の感情のほとばしりをそのまま表現するような歌もない。それでも、自分の日々の生活をしっかりと見え据えて、その中から詩情を掬い上げて歌を詠んでいく作者の姿勢に、心の底から共感した。詩と日常の生活は水と油のようなものでない。私達の日々の生活の中には詩が潜んでいる。詩の方で、私達がそのことに気づくのを待っているのだ、とこの歌人の歌は気付かせてくれる。(続きます)2018/01/27
双海(ふたみ)
23
齢十八にして斎藤茂吉に見(マミ)え、『歩道』を主宰して戦後歌壇の第一線を歩んだ佐藤佐太郎。彼は子規以来の万葉調、写生を基調として、短歌の詩性、芸術性のあらゆる可能性を希求したといいます。初期から晩年までぽつぽつと好きな歌が見つかりました。「かりそめの事なりしかど眠りたる女(をみな)に照りし月おもひ出づ」2015/06/20
fishdeleuze
11
アララギ派の歌人。思うに写実主義の運動というのは、その時代においてどのくらい衝撃的なものだったのだろうか。たとえば、スイングからビバップが出てきたようなドラスティックなものだったのだろうか。または短歌におけるコロキアルとかライトヴァースが出てきたような? 写実主義、当時はインパクトがあったのだろうなと思いながら読んだ。晩年に近づくにつれて、作者の等身大の言葉と生活と心が感じられしみじみと、しんとした心持ちで読んだ。2025/09/15
はち
10
アララギ出身の歌人、佐藤佐太郎。ぽろぽろ好きな歌が見つかる。初期から戦後すぐまでは貧困を直接に歌った歌も目立つ。そしてかなり早い段階から老いを意識した歌が増えてくる。かつての歌人は今の歌人より老いを早く意識したのか、それとも社会全体が今より早く老いを感じていたのか。2015/10/05
晴久
8
日々過ごすなかで見聞きした情景がそのままに描かれていて、淡々と読むうちに散歩をしているような、ゆったりとした気持ちになってきた。とくに、晩年の作品は自分の老いた体に向き合っていて、それでいて悲観するというよりは事実を事実として静かに見ているようなところが、私もまた同じような歳の頃に読めば共感が止まらなくなるだろうと思った。2023/03/04




