岩波文庫
立原道造詩集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 453p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003112113
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0192

出版社内容情報

『若菜集』以後青春の抒情をうたいえたのは立原道造(一九一四―三九)である.彼は,口語という困難きわまる素材を使い,ソネットの形と新しい語法とによって抒情詩を構成した.孤影の色濃い詩の中に青年の情感をみずみずしく盛り込み,半世紀を経た今なお人の心を打つ.若き日を共にした編者が,夭折した詩人への鎮魂の意をこめて編集.

内容説明

立原道造は、口語という困難な素材を使い、ソネットの形と新しい語法とによって抒情詩を構成した。孤影の色濃い詩の中に青年の情感をみずみずしく盛り込み、半世紀を経た今なお人の心を打つ。

目次

詩集 萱草に寄す
詩集 暁と夕の詩
詩集 優しき歌 1
詩集 優しき歌 2
拾遺詩篇
後期草稿詩篇
末刊詩集(詩集 さふらん;詩集 日曜日;詩集 散歩詩集;詩集 田舎歌)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

63
十四行。それだけの行数だが、その中から何とも言えぬ香気が立ち昇る詩ばかり。読んでいると何処となく信州の高原の透明な秋の風に吹かれているような、今はもう失くしてしまった何かを思い出すような、読んでいるとふとそういうものを感じるものばかり。教科書で読み自分の中でこの詩人の名を忘れられないものにした「はじめてのものに」もまたいいが、やはり第一に挙げるなら「みまかれる美しきひとに」を推したい。全編から滲み出る哀感や、特に最後の一行の忘れがたさといったら…。久々に抒情の世界に身を浸す、こういうのが詩のいい所です。2021/05/22

燃えつきた棒

33
トーマス・マン『魔の山』を読んでいたら、なぜか無性に読みたくなってきた。 『魔の山』➡︎サナトリウム➡︎軽井沢➡︎堀辰雄➡︎立原道造というわけである。 中野重治が【おまへは歌ふな】(「歌」※)と言った「赤ままの花」の世界かもしれないなとも思うが、好きなものは仕方がない。/ ※中野重治「歌」: 《お前は歌ふな  お前は赤まゝの花やとんぼの羽根を歌ふな  風のさゝやきや女の髪の毛の匂ひを歌ふな  すべてのひよわなもの  すべてのうそうそとしたもの  すべての物憂げなものを撥(はじ)き去れ ➡︎2024/05/17

あなた

18
風呂で読んでたら、あまりになめらかに心に染みいってくるんで、ついシャンプーをつけたまま浴室を出たことがあった、ってそれぐらいよかったよこの詩集。「た」止めで固い音を響かせながらも、やわらかく「ウ」止めをいれる「初冬」がおすすめ。ぜったい、もういちど、よもう。さう、何と世の中はたのしいのだらう2009/07/25

双海(ふたみ)

16
口語という困難な素材を用い、ソネットの形と新しい語法とによって抒情詩を構成した立原道造。しずかな日には、しずかな詩集を。2018/01/08

アムリタ

13
詩のことばは読むというよりも味わうとか感じるというものにように思うが、道造のことばは「うたふ」ということばがふさわしい。かれはうたふやうに詩を詠んだのだらう。かれの日々はうたであったのだらう。声に出してみると、それがいっそうよくわかるのだ。花を愛し、風を星を鳥を愛し、メルヘンとロマンの世界に生きた永遠の少年は実際はこだわりが強く扱い辛い人物であったようだ。でもそんなものだろう。世の中と折り合いをつけるのは難儀だったはずだ。それでよかった。かれのうたは澄んだまま、こころの底でひそやかにうたひ継がれるのだ。2020/11/26

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