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岩波文庫
風立ちぬ・美しい村 (改版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 182p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003108918
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

胸を病む許婚の節子.彼女を看護するため信州のサナトリウムへやってきた“私”.二人は生命の危険を感じながらも許される限りの幸福を見いだそうとする.男女の恋愛感情を清澄な文章で描写したこの『風立ちぬ』(昭和十一―十三年作)に,若さに生きる喜びをたたえる物語『美しい村』(昭和八年作)を添えた. (解説 河上徹太郎)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

22
題名は知っているが未読の日本文学を読むことにする。その第一弾。「美しい村」小説というよりも散文詩を思わせる密度のある文章が続く。スケッチかと。フランス文学で良く見る理屈っぽい心理表現ににんまりする。「風立ちぬ」は勝手に予想した展開と構成を念頭において読んでいたが、実にはずしていて感心した。文学史に残るのもなるほどと感じられる作品だ。抑えた表現に押し殺した悲しみが臭う。気質的に自分の好みの作家だとわかった。2014/05/05

こだまの本棚

18
通して静かな本でした。『美しい村』では「私」が昔の出来事を回想しながら軽井沢の山路や村を散策している。そこで登場する人々、とは言ってもその人たちに何があるでもなく「実在する」と述べられただけのこともあったが、作品の雰囲気を作るでもなく壊すこともなくすんなりと溶け込んだ風景のようだった。芸術作品を見ている感覚に似ていると感じたが、巻末の解説を読んで作者、堀辰雄の文章の構成は確かに音楽性があったようにも思える。『風立ちぬ』で1番気になったのは「私」が「節子」のことを様々に呼んでいたことである。2020/06/01

タカヒロ

16
再読。「美しい村」は苦戦したが、「風立ちぬ」は、堀辰雄の真骨頂。「死」というものと常に隣り合わせにいながら、肝心な節子の死の場面は一切が省かれ、手記の形でそれを回想するという描き方は非常にドラマティックだった。節子の死がいよいよ迫ってくる中で、「日付」とともに小説が展開していくスピード感のある静謐なクライマックスには引き込まれる。「風立ちぬ、いざ生きめやも」というヴァレリーの言葉が二度登場するが、このテクストにおける「風」というものが描き出す心象については、また考えてみたい。静かな静かな小説。2024/03/20

ラウリスタ~

11
『風立ちぬ』は日本人なら必読でしょう、と言いたいところだが、ええすいません昨日映画を観た帰りに買いました。ちなみに映画との関連はといえば、物語世界の半分は借りていて、ストーリーってのは借りていない、って感じか。普通に読んだら昭和初期の作品ってことで、そういった印象を持つだろうが、映画を観た後だと幸か不幸か、ジブリっぽく読んでしまう。『美しい村』はいいね、実質は山奥の村なのに、外国人がやってくることで妙にしゃれた雰囲気になった日本でもなく外国でもない変な空間が醸し出されている。2013/08/07

さゆき

10
再読。堀辰雄の文章は音楽的でもあるのだが、同時に絵画のようでもある。彼の文章を思い浮かべたとき、緑や青といった色彩が一番に脳裡に浮かぶ。2020/01/08

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