出版社内容情報
「広い人間の生活を知りたい」という近代女性佐々伸子の恋愛と結婚からその破綻にいたるまでの経過を描く.彼女はその出身の上層中産階級から大胆にプロレタリア階級の味方に転換し,人間的成長をとげてゆく.近代市民文学の正統を受け継ぎつつ新しい時代への架橋を目ざした百合子の代表作.大正13‐15年作.解説=蔵原惟人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
S.Mori
11
今はあまり読まれていないようですが、昭和期の名作の一つです。主人公の伸子がニューヨークで夫となる佃と出会うとこから物語が始まります。日本人の目から見た20世紀初頭のニューヨークの描写が清新で、生き生きとしていました。恋愛の部分はありふれたところもありますが、10歳以上年上の佃を一生懸命に愛そうとする伸子のぎこちない態度が瑞々しく描かれており、読みごたえがあります。二人は帰国して伸子の家に住むようになるのですが、この頃から二人の間にすきま風が吹き始めました。下巻を読むのが楽しみです。2019/09/18
オランジーナ@
1
下でまとめて感想を書く予定2016/01/17