岩波文庫<br> 桐畑

岩波文庫
桐畑

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  • サイズ 文庫判/ページ数 218p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003106013
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0300

出版社内容情報

あどけない少年時代から奇しくも同じ相手に恋し,壮年にいたるまでに4たびまで同じ運命をくりかえした2人の男とひとりの妻と,わずか3人の登場人物をめぐって展開する3,4カ月の事件の中に,20年の過去が映し出され,恋愛の心理が微かな襞の隅まで照らし出される.描写の清新,構成の緊密,心理分析の心憎いまでの冴え.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

8
「愛經」(66頁~)で、「こいつァ出來てるな、と思ふやうな人間は實に少ないね」(67頁)とある。今、就活で苦しむ若者も、人事にはそう思われているんだろうな。「人間として出来上らうとする勉強が足りないといふ意味での怠者」(旧字体同頁)。う~む。確かに、勉強にも学力以外に、オマケしておくという意味の勉強と、人生勉強とか、いろいろあるな。2014/01/22

amanon

4
子供の頃からの無二の親友にして、一番の恋敵…ある意味ありがちな話なのだが、そこは一筋縄ではいかない著者のことだから、随所に絶妙な捻りを入れているのはさすが、まず、恋敵である岩本が、それ程嫌味な人間として描かれておらず、また主人公も常に、岩本に対して、猜疑心を激らせるというわけではなく、一定の友愛心を岩本に抱いて、実際にそのように接しているというのが、印象的。修羅場に終わるかと思われる終盤で、呆気ないというか、爽やかとも言える岩本の去り際が、何とも言えない余韻を読者に残す。良質な佳作と言えるのではないか。2023/05/20

水野洸也

0
初期も初期、といっても完全なる初期ではないけれど、まあ初期と言っていいだろうくらいに書かれた中編小説。なかなか上手くて、その代わり後々頭角を現わしてくるような「色気」なり一文のだらだら続く文体なりは見られないけれど、小説として、完成度の高い作品と思った。読後感も良い。後で思い出して、ここの描写は良かったなあとかいうところもいくつかある。特に、電車の中で、全くの他人を木崎と勘違いするところ、そこで展開される妄想劇、または終盤、精養軒での心理的奥様騒動、あそこの筆の進み方にはよほど注目すべきと思う。2016/10/05

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