岩波文庫
下谷叢話

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  • サイズ 文庫判/ページ数 303p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003104286
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

わが青春の夢もまた消えにけり-荷風にとっても痛恨事であった関東大震災の翌年,彼は,母方の祖父鷲津毅堂ら幕末維新の時代の潮流に超然と生きた漢詩人たちを共感をもって描いた本書を執筆する.(注・解説=成瀬哲生)

内容説明

絶対の存在であった文学上の師鴎外の死に続き、「わが青春の夢もまた消えにけり」という痛恨事、関東大震災が荷風を襲った。翌年、45歳の荷風は、幼い一時期を過ごした下谷の家、そこに住んだ母方の祖父鷲津毅堂やその周辺の、時代の潮流に背を向けた幕末維新の漢詩壇の人々を、大きな共感をもって描く。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

feodor

5
荷風の母方の祖父にあたる鷲津毅堂宣光と、その同族・大沼枕山の生涯を時代と共に描いた史伝、また江戸後期~末期の漢詩人・儒学者たちの動きを追った群衆史伝と言ってもよいかも。以前よりは、江戸期の儒学者・漢詩人に対する知識も出てきたせいか、とても楽しく読んだ。寛政期から話題は始まり、とりわけ幕末維新の頃には漢詩人・儒学者たちも大いに政治の変動とのかかわりが感じられた。新政府の役人としての地位を保つ毅堂に対し、下谷界隈を離れず、詩の世界から離れなかった枕山。対照的な二人を淡々と描き報告するような、そんな本だった。2013/07/07

かっこ

1
名の知れた祖父とその縁者について、鴎外に触発されて調べ記したもの。過去一読むのがたいへんだったが面白かった。2023/11/22

内藤銀ねず

1
荷風が幕末の漢詩人、大沼枕山(おおぬま/ちんざん)の縁者だったことから書き始められた評伝。 全編、枕山への愛に溢れていて、現代人でなくとも読者はたびたび置き去りにされます。 しかも枕山の人となりだけでなくその作品の引用もたくさんあって、荷風先生は訳なんか付けてくれません! こんな風に、書きたいことを書きたいだけ書いてそれが岩波文庫に収められるという快挙。内容よりも、これが21世紀にも読まれるべきだと判断されたことを、わたしはありがたく思います。

amanon

1
江戸時代の文献の引用がかなりの割合に及んでいるため、やたら読み終えるのに苦労した。特に漢詩とその読み下し文は、正直言って文字面を目で追うのみだったと言ってよい。もう少しじっくり腰を据えて読み返せば、様々な含蓄を引き出せるのかもしれないが、そうするためにはある程度国文学に関する専門的な知識が必要とされそうである。ただ、本書の所々で荷風が古の文人のあり方を懐かしんでいる箇所を目にすると、更に時代を下った現在を荷風はどう感じるのか、ということがやはり気になる。後、解説に森銑三の名前があるのが興味深かった。2012/03/23

Norihiko Shr

0
http://blogs.yahoo.co.jp/puzz_l_riddle/54817789.html2015/03/26

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