出版社内容情報
明治三十二年に晩翠は処女詩集『天地有情』を発表した.すでに『若菜集』によって評判を得ていた藤村のみやびな詩風に対し,声調爽やかに男性的悲壮感を漂わせた晩翠の詩も大いに世にむかえられた.本書には『天地有情』のほか生涯の各詩集から「星落秋風五丈原」「荒城の月」等々代表的なものを集めた. (校訂・解説 石井昌光)
内容説明
明治32年に晩翠は処女詩集『天地有情』を発表した。すでに『若菜集』によって評判を得ていた藤村のみやびな、柔らか味のある詩風に対し、声調爽やかに男性的悲壮感を漂わせた晩翠の詩も大いに世にむかえられた。本書にはその『天地有情』のほか生涯の各詩集から「星落秋風五丈原」「荒城の月」等々代表的なものを集めた。
目次
『天地有情』より(希望;雲の歌;星と花 ほか)
『暁鐘』より(万里長城の歌;おぼろ;平和 ほか)
『東海遊子吟』より(松島;日本の女性;ブルヂエ湖畔月夜の曲 ほか)
『曙光』より(釈迦牟尼とトルストイ;金華山より太平洋を望みて;愛と哀 ほか)
『天馬の道に』より(序詩;日本の風姿;東亜の美術 ほか)
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稲岡慶郎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まるめろ
8
用いる言葉の音の美しさが好み。全体的に哀愁強めだが、内向的でありながら世の情景を取り込むように織り交ぜていて、美しさを際立たせている2020/03/20
湯豆腐
2
荒城の月の作詞者。「夕」「夜半」など一つの情景に頼りすぎ、単調。技巧的には全く面白くなかった。壮士的な気宇壮大な詩が中心かと思いきや意外と女々しい詩も多い。落ち込んだり舞い上がったり感情の落差の激しい人だな。2015/09/02
双海(ふたみ)
2
藤村晩翠時代・・・島崎藤村と並び称された土井晩翠であったが、残念なことに晩翠は現在ではほとんど読者を失っているようである。2013/07/25
駒場
2
「星落秋風五丈原」は中学生の時に初めて出会って感動したが、今読んでもやはり素晴らしい詩 2011/04/08
神田カリ太郎
1
星落秋風五丈原の歌が読みたかったので購入しました。漢文調の豊かな表現は現在では古臭いのでしょうか。しかし日本語にこんな顔だってあるんですよ。いいじゃないですか、すごく綺麗だと思います。え、詩の意味がわからない?五丈原の歌についてなら「漢詩三国志」(新潮選書)も併せてどうぞ!
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