出版社内容情報
武蔵野を逍遥しながら独歩(一八七一―一九〇八)は愛着をこめて「生活と自然とがこのように密接しているところがどこにあるか」と言っている.作者は,常に自然を通じて人生を,また人間を通じて自然を見,その奥に拡がる広々とした世界を感じとっていた.このことは所収作品のすべてからうかがい知れる. (解説 塩田良平)
内容説明
初期の作品一八篇を収めた国木田独歩(一八七一‐一九〇八)自選の短篇集。ワーズワースに心酔した若き独歩が、郊外の落葉林や田畑をめぐる小道を散策して、その情景や出会った人々を描いた表題作「武蔵野」は、近代日本の自然文学の白眉である作者の代表作。
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- 評価
稲岡慶郎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みっぴー
38
奇書なみの読みずらさでした。今まで読んだ本の中で一番読みにくかったです。自然を崇拝し、その美しさを讃えるのまでは分かりますが、そこに人間が絡んでくるともう訳が分からない…風景画とか好きな人なら理解出来るのかもしれません。中には読みやすい話もありましたが、読後は疲労だけが残りました。楽しんで読めた方が本当に羨ましいです。2016/03/23
シュラフ
28
"武蔵野の趣"についてたんたんと述べているだけなので興味のない人にとっては退屈なだけであろう。私がこの作品を好きなのは、もともと地理というものに関心が強かったこと、私の高校学区が新宿・渋谷・目黒・世田谷という、独歩が武蔵野のエリアと挙げた地域になじみ深いことによる。大都会で育った者として自然への憧れは強い。高校時代の私はよく武蔵野に思いを寄せてよく空想に耽ったものである。いま東京の街は無秩序な開発によって電車の車窓からの風景は醜悪そのものだと思う。もっと計画的な緑地化ができなかったのかと残念でならない。 2017/01/02
cape
20
運命。37歳の若さで没し、あと数日で命日。自分はあと数日で37歳が終わる。国木田独歩と言えば「武蔵野」。自然文学の代表作だが、その他の短編からも、渠が自然を見つめた姿が垣間見える。運命と自然。「わかれ」「源叔父」「河霧」「初恋」がいい。もちろん、文章も情景も時代を感じさせる。100年以上も前なのだから、それも自然。2017/06/13
つぐみ
13
国木田独歩の短編集。どういうわけか読了までにすごい時間がかかりました。頭に上手く話が馴染んでいかない。ちょっとページから目をそらして、戻すとどこを読んでいたのかわかなくなる。面白くない訳ではないんだけど、久しぶりに大苦戦。(文語体自体は最近少し慣れてきていたので、文体のせいじゃないと思う)表題作「武蔵野」は情景描写が巧みで移りゆく自然を愛でる独歩の目線が暖かい。隠居したお年寄りの日常のような印象を受けたけれど執筆当時は独歩27歳でした^^;「源叔父」が印象深い。2017/09/19
シロナガススイカ
12
『林の奥に座して四顧し、傾聴し、睇視し、黙想す』/武蔵野の歩き方はこちら。/浪漫主義→自然主義のお人というだけあって、表題作「武蔵野」なんかはまさに、ありのままの武蔵野を描きましたー!という印象。それだけに退屈だけど、じっくり読めば読むほど味わい深くなりそう。武蔵野という土地に馴染みがあればもっと興味が湧くのだが、そうじゃないので今は一読でストップ。他の収録作品は、目立たなくて物悲しいものが多い。そんな中、何故か「忘れえぬ人々」にはビビッときた。あのラスト一文で裏切る感じ、人間臭さが伺えて良きです。2024/08/15
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