出版社内容情報
社会の変化と共に大衆化が進み、都市から地方へ、知識人から庶民へとますます多様に広がる江戸漢詩の世界。無名の町人や農民、また女性の作者が登場し、『五山堂詩話』のような批評誌も生まれてくる。下巻は市河寛斎に始まり、後期以降の柏木如亭や大窪詩仏、頼山陽、そして西郷隆盛ら幕末の志士の詩を収録する。(全二冊)
内容説明
社会の変化と共に大衆化が進み、都市から地方へとますます多様に広がる江戸漢詩の世界。無名の町人や女性の作者が登場し、『五山堂詩話』のような批評誌も生まれてくる。下巻では後期以降の柏木如亭や大窪詩仏、頼山陽、そして西郷隆盛ら幕末の志士の詩も収録する。
目次
後期(享和‐文政期頃)(市河寛斎;古賀精里;亀田鵬斎;田上菊舎;頼春風 ほか)
幕末期(天保‐慶応期頃)(梁川星巌;梁川紅蘭;横山致堂;横山蘭蝶 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
67
十日余りを費やして26日読了…。ただの通読かな。白文は読めないし。それでも少しは楽しんだ。本書については随時、メモ書きしてきた。 いきなり下巻からってのも変則的だが、恐らく上巻からでは上下二巻を読破する気力が萎えるからだったろう。 だが、下巻だけでも江戸時代の漢詩の世界の広がりと層の厚さをしることができた。巻末には、編訳の揖斐氏による解説があり、あるいはこちらを読んでから取り組んだほうがよかったか。2022/05/26
壱萬弐仟縁
32
上巻は誰か借りているかな。柏木如亭の188 讃州福島 で、一番よいのは家に閉じこもって読書。自分の家以外のところに宿るべきではない(105頁)。 広瀬旭荘の282 秋夜の作 で、死者は二度と帰ってくることはない(353頁)。西郷隆盛の310獄中、感有り で、人の一生の浮き沈みは、昼と夜が入れ替わるのに似ている。もし運が開くことが無いとしても、心を誠にすることに努める(419頁)。 2021/09/12