岩波文庫<br> 耳嚢〈上〉

岩波文庫
耳嚢〈上〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 434p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003026113
  • NDC分類 914.5
  • Cコード C0195

出版社内容情報

江戸中期に奉行職を歴任した根岸鎮衛(一七三七‐一八一五)が同僚や古老の話を書き留めた随筆集.猫が人に化けた話,安倍川餅の由来,塩漬にされた河童の事,墓から死人が生返った話等々,珍談・奇談を満載した世間話の集大成である.カリフォルニア大学バークレー校東アジア図書館所蔵の唯一の完本を初めて翻刻.「耳嚢副言」と総目録を付す.

内容説明

江戸中期に奉行職を歴任した根岸鎮衛(一七三七‐一八一五)が同僚や古老の話を書き留めた随筆集。猫が人に化けた話、安倍川餅の由来、塩漬にされた河童の事、都で欺かれた好色漢の話等々、珍談・奇談を満載した世間話の集大成。上巻には巻一~巻三を収録。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

31
江戸時代の巷間に広まる噂話の数々を根岸鎮衛が収集した耳嚢。ほんの少し、何百年か前には本邦にも今では消え去った怪異が跳梁跋扈していた(掲載されているのは怪異譚ばかりではないけれど) 不思議なお話。不思議な物語。時代は違えどそうしたものが何ら違和感なく自分の中に入り込んでくるのは、知らず知らずに身につけた日本人としての素養が理由なんだろうか。久々に読み直したけれど単純に面白いな。中下巻にも期待。2019/05/18

ドナルド@灯れ松明の火

16
江戸時代の巷間の実話や噂、言い伝えなど各種の話が脈絡もなく綴られている。当時当り前の常識が判らないため何が言いたいのかわからない話もあった。こんな覚書きが今になると貴重だと思う。2016/10/29

猫丸

14
さばけた役人、根岸鎮衛の残した、あまりにも幅広いエッセイ。これはかなり面白い。かつ江戸も後期の著作であるから読みやすい。教科書に採用してもいいんではないか。幕府や朝廷の権威を記した条は通り一遍の記述にすぎないが、変な話、不思議な話、笑える話などは、筆者の書きぶりも軽い。仏壇から読経の声が聞こえる怪異は実は蜂の羽音であったとか、霊験あらたかな寺の石が塩を生じるのは驚くにあたらない、その地方の岩木には潮風の運ぶ塩気が凝集していた、など「おかしき事也」として紹介している。意外に合理精神に富む筆者である。2018/11/20

冬見

10
寝る前に20篇くらいずつ読み進めた。『耳嚢』は天明から文化にかけて旗本・根岸鎮衛が綴った奇談・雑話の聞書の集録作品。始めの方は将軍を賛美する話が多いが、憑いた狐を落とす話に火傷治しのおまじない、陽物に惑わされ馬と三角関係に陥った女の話、心中場所が決まらず死に損ねた男女の話、興味本位ではりかたを突っ込んで気絶する老人の話、初代瀬川菊之丞の逸話など、話の幅は広く、飽きずに読める。太田道灌の「ひとりには塵をもをかじひとりをばあらき風にもあてじとぞ思ふ」は、上手いこと言ってんな!と笑ってしまった。中巻も楽しみ。2019/05/28

ひーじー

3
3.5/5 これまた二十数年ぶりの読了。江戸期の書き言葉で書かれてはいますが、ちょっと連想力を働かせれば、古文は高校までの私でも問題なく読めます。『耳嚢(袋)』というと、『新耳袋』の影響からか怪談集のイメージがありますが、本書はもっと幅広く、著者が聞いたり見たりしたことが、取り留めなく羅列されています。特に巻之三に記載されている「老耄奇譚の事」は(ここには内容は書けませんが)「爺さん、何やってるの?!」と、思わず吹き出してしまいましたw 全3冊ですので、間に他の本を挟みながら、ゆっくりと再読していきます。2022/09/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/474857
  • ご注意事項

最近チェックした商品