出版社内容情報
『武玉川』は江戸座の宗匠・慶紀逸が日ごろ批点を乞われた俳諧連句のうちから秀逸な付句をぬき出して編んだ高点付句集である.弟分と称すべき『柳多留』に相通ずる一面をもちながらも,ここにはまた『武玉川』独自の絶妙の興趣がある.難読語には懇切に訓みを付し,『柳多留』等との重複・異同を可能なかぎり示した.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
石油監査人
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「武玉川」は、江戸時代中期に編纂された俳諧集です。全18編から成り、この岩波文庫の第一分冊には、第1編から第5編までの、約4千句が掲載されています。短句(七七 )または長句(五七五 )の形式で、庶民の飾らない心情が多く読まれています。読書の際には、旧漢字が読めなかったり、用語の意味が分からないなどの苦労も多いのですが、しばらく考えを巡らして、閃くように意味が分かったときの喜びは、格別です。例えば、次の句は、読み終わって、少し経ってから意味が分かり、ニヤリとしました。「女房にした五本目の指」。粋な句です。2021/05/13
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