内容説明
鎌倉幕府の滅亡に始まる南北朝の動乱。北条一族の終焉、楠正成らの知勇が支える後醍醐政権、足利尊氏の離反、室町幕府の成立…。数十年にわたって列島を揺るがした巨大な戦乱を記す『太平記』。その古態を伝える「西源院本」に、初めて校注を加える。
目次
後醍醐天皇武臣を亡ぼすべき御企ての事
中宮御入内の事
皇子達の御事
関東調伏の法行はるる事
俊基資朝朝臣の事
土岐十郎と多治見四郎と謀叛の事、付無礼講の事
昌黎文集談義の事
謀叛露顕の事
土岐多治見討たるる事
俊基資朝召し取られ関東下向の事〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
124
岩波の雑誌「図書」に佐藤優さんの書かれた「太平記」にかかわる記事を見て、とりあえず1巻を読んでみることにしました。通読したことはなく一部分だけを読んだことがあります。この岩波文庫版は確かに注釈が親切に書かれていてわかりやすい気がします。この巻には原文の8巻までが収められています。漢文などからの引用が多く原文自体のテンポも楽しめました。平家物語と同じように愛読書の1冊に加えようという気がしました。2017/03/11
syaori
36
最終巻まで出たので。後醍醐帝の討幕計画が発覚する正中の変、天皇の隠岐配流、楠正成や赤松則村の挙兵、帝の隠岐脱出と1巻から盛りだくさんです。この巻で印象的なのは楠正成の活躍。小勢が大勢を翻弄するのは胸が躍りますね。加えて、物語としても天狗の出現などの不思議な出来事や中国の故事を引くなど飽きさせません。『平家』と比べ、俊基の関東下向などには馬琴などを思わせるものがあって時代が下っているなと感じました。日本史に暗いので登場人物たちの運命、これからの展開が気になります。サバイバルする大塔宮様を応援しつつ以下次巻。2016/11/28
おひゃべりのナオ@【花飛】ヤオイは三月の異名にあらず
24
(5)以降が未刊行、高師直滅亡までは読める。妖怪大戦争はまだ読めない。2016/03/23
鯖
14
二巻が昨日発売とのことで、積んでおいたこれをざざっと流し読み…。平安時代の古典に比べれば、格段に読みやすいんだけどなあ。きちんと読み直します。今度もう一度。2014/10/18
Francis
13
再読。2020年に読んだ最後の本。「太平記」はやはり面白い。南北朝史研究者の亀田俊和先生が「太平記の著者は都合の悪いことになると中国の古典を引用して誤魔化す癖があるようだ」と書いているが、その意味も何となくわかった。2020/12/31