出版社内容情報
仏典「十善業道経」の仏教的な教誡より脱化し，和漢古今の物語の数かずを10目にわたって抄出し，文学的な方法をかりて少年者の修養に資したもので，後の教訓書のさきがけとなった．文体としても，中古文から戦記文に移ろうとする過渡期のものとして興味深い．東大国文学研究室蔵3巻本を底本とし，同系統の岩崎文庫蔵3巻本と校合した．
感想・レビュー
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アル
1
鎌倉時代、六波羅に仕えた武士が後輩のために十系統の教訓にそって集めた説話集……というより、教訓を名目に集められた「ちょっといい話・悪い話集」という方が読んだ実感に近い。元々は天狗の話が読みたくて随分前に古本屋で購入したのだが、通読したのは今回が初。この版には原文だけで現代語訳や単語の注釈はついていないため意味を推測しながら読み進めたが、それでもかなり面白かった。2013/05/10
