岩波文庫<br> 山家集 (新訂)

岩波文庫
山家集 (新訂)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003002315
  • NDC分類 911.148
  • Cコード C0192

出版社内容情報

自然と人間を愛し,宗教的境地をもいれるという西行の文学的特色は,『山家集』において最もよく知ることができる.古来幾千の歌人が歌いふるした花も,月も,恋も,彼の胸の琴線に触れて新しい響きとして歌い出されている.後に宗祇・芭蕉に偶像として尊敬された西行の姿は,この一巻にみごとに浮彫りにされている.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

双海(ふたみ)

28
旧版、カバーなし、スピン(紐状のしおり)付き。「歌風が自然率直で、用語においても句法においても、當時の一般の歌の巧緻なのとは、全く別であつた。その作歌の態度は、直情的である。この點で、彼の歌風はむしろ萬葉の自然の風に近いものがある。」(佐々木信綱)2015/06/20

しんすけ

21
読み終わっているわけではないが、終わるのを待っていたら死後となる可能性が高い。 堀田善衛の『定家明月記私抄』に西行の描写があった。 懐かしく思い数十年ぶりに手に取った。 何気なく開いたページでも、引き込まれてしまう歌を発見する。これは西行に特有のことかもしれない。 実朝の『金塊集』も好きな歌集だが、『山家集』のような体験をしたことはない。 デカダンスの技巧はあっても、自然に生じた言葉が少ないからかもしれない。2022/02/09

キョートマン

17
流し読みだったので代表作の「ねがはくば...」くらいしか理解出来なかったと言っても過言ではない。こういうのでもすらすら鑑賞できるようになりたい。2021/03/29

壱萬弐仟縁

14
12C西行は自然人生の美を愛し感ずる情感において極めて真面目痛切、熱烈(旧字体5頁)。秋歌で「立ちこむる 霧の下にも 埋もれて 心はれせぬ み山べの里」(69頁)。山里も稲が刈られてトンボがあちこちにいるな。「月ならで さし入るかげも なきままに 暮るる嬉しき 秋の山里」(71頁)。月がよく見えたな。月の歌も多数収録。「けぶり立つ 富士に思ひの あらそひて よだけき恋を するがへぞ行く」(153頁)。当時の富士山はどうか。「木曾人は 海のいかりを しづめかねて 死出の山にも 入りにけるかな」(256頁)。2013/09/22

テツ

9
大学の頃に初めて読んで以来の再読。西行の自然を見つめる視線。その視線は大自然を通じて自らの内部にも及ぶ。森羅万象は流転し続け全ては無常。それでもこの瞬間に咲き誇る花は美しい。変化を続けたゆたうこの宇宙の中で瞬く間に生まれ嘆き苦しみ死んでいく人間の姿も、俯瞰して見れば咲く花の様な美しさがあるのだろうか。生命がこの世に溢れてそして死んでいく理由は、その瞬く間の美しさを誰かに見せるためなのかもしれないなと思った。2014/02/20

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