出版社内容情報
自然と人間を愛し,宗教的境地をもいれるという西行の文学的特色は,『山家集』において最もよく知ることができる.古来幾千の歌人が歌いふるした花も,月も,恋も,彼の胸の琴線に触れて新しい響きとして歌い出されている.後に宗祇・芭蕉に偶像として尊敬された西行の姿は,この一巻にみごとに浮彫りにされている.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
29
旧版、カバーなし、スピン(紐状のしおり)付き。「歌風が自然率直で、用語においても句法においても、當時の一般の歌の巧緻なのとは、全く別であつた。その作歌の態度は、直情的である。この點で、彼の歌風はむしろ萬葉の自然の風に近いものがある。」(佐々木信綱)2015/06/20
金吾
23
理解しきれてはいませんが、読んでいて情景が浮かぶ歌が多いため読みやすいと感じました。なんとなく気に入った歌をチェックしましたので、その歌を主体に再読しようと思いました。2024/06/01
しんすけ
22
読み終わっているわけではないが、終わるのを待っていたら死後となる可能性が高い。 堀田善衛の『定家明月記私抄』に西行の描写があった。 懐かしく思い数十年ぶりに手に取った。 何気なく開いたページでも、引き込まれてしまう歌を発見する。これは西行に特有のことかもしれない。 実朝の『金塊集』も好きな歌集だが、『山家集』のような体験をしたことはない。 デカダンスの技巧はあっても、自然に生じた言葉が少ないからかもしれない。2022/02/09
SOHSA
21
《購入本》久方ぶりの再読。作者西行の日々の暮らしや想いが飾り気なく自然体で謳われている。1500首以上の歌が納められており、その中には読み手の心情を揺さぶるものが必ず見つかるだろう。私自身、深く印象に残った歌はこの4首。「月のみやうはの空なるかたみにて思ひも出でば心通わむ」「昔見し野中の清水かはらねば我が影をもや思ひ出づらむ」「うきたびになどなど人を思へども叶はて年の積りぬるかな」「今よりは昔がたりは心せむあやしきまでに袖しをれけり」どれもみなそこはかとない悲哀が漂っている。2025/11/07
キョートマン
18
流し読みだったので代表作の「ねがはくば...」くらいしか理解出来なかったと言っても過言ではない。こういうのでもすらすら鑑賞できるようになりたい。2021/03/29




