出版社内容情報
巻19から巻26までを収録.天狗異類譚・因果応報譚から栄華を極めた藤原一門,怪力無双の僧俗男女,芸道術道の名人上手,平安武士の棟梁源平二氏の武勇,地方の民間伝承など多様な題材による珍譚奇聞の数々.
内容説明
本冊は巻十九「本朝付仏法」から(巻十八・巻二十一は欠巻)。天狗異類譚・因果応報譚から、栄華を極めた藤原一門、怪力無双の僧俗男女、芸道術道の名人上手、台頭する武士の棟梁源平二氏の武勇など、多彩な題材の珍談異聞の数々。
目次
本朝付仏法(頭の少将良峰宗貞出家せる語;参河守大江定基出家せる語;内記慶滋の保胤出家せる語 ほか)
本朝(大織冠、始めて藤原の姓を賜はれる語;高藤の内大臣の語;時平の大臣、国経の大納言の妻を取れる語 ほか)
本朝付世俗(百済川成と飛騨の工と挑みたる語;碁擲の寛蓮、碁擲の女に値ひたる語;女、医師の家に行きて瘡を治して逃げたる語 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
51
仏教説話19巻は出家譚が集められており、芥川の『六の宮の姫君』のもとになった話がやはり一番面白い(19-5)。20巻は天狗の話が集められている。中国からやって来た天狗の話や、亀や竜と力比べをする天狗など、天狗は身近な存在だったようだ。后に憑いた天狗を調伏した僧が后を一目見て惚れ込み、鬼となって后と戯れる話(20-7)は、その不気味さで群を抜いている。24巻から世俗の説話となり、24巻では阿倍晴明をはじめとした陰陽師たちの活躍が語られている。これは是非、夢枕獏の『陰陽師』とも合わせ読みしたいところ。2017/02/04
syaori
44
この巻は世俗の人の出家譚や天狗の怪異、藤原の話に芸能譚、武士の活躍と盛りだくさん! そのなかに芥川の『六宮の姫君』や谷崎の『少将滋幹の母』の素材になったもの、安倍晴明や博雅三位、伊勢や染殿の后のエピソードなどが散りばめられていて興味が尽きません。とても心に残ったのは「讃岐の国の多度の郡の五位」の話。荒々しい田舎武士の五位がある僧との問答で突然出家し物狂わしく西を目指す一途さ、「口より微妙(めでた)く鮮なる蓮華一葉生いたり」という美しい往生の様子がとても印象的でした。源義家の祖父頼信の武勇が語られて次巻へ!2018/01/17
記憶喪失した男
9
平安時代の幻想短編小説集。仏法の章が特に幻想的で面白い。2020/11/11
ホレイシア
2
なかなか奥が深いのですな、これが。
ポッチ
2
昔の日本人フリーダムすぎるw2008/03/31