岩波文庫<br> 和泉式部日記 (改版)

電子版価格
¥572
  • 電子版あり

岩波文庫
和泉式部日記 (改版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 144p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003001714
  • NDC分類 915.34
  • Cコード C0195

出版社内容情報

ものおもへば沢の蛍もわが身よりあくがれいづる魂かとぞみる――愛する男を失った式部が,神の力によって悩める魂を鎮めるべく貴船神社に詣でた折の歌である.この日記は,多くの男性遍歴の中で,とりわけ深い愛情を捧げた帥の宮との恋愛生活を,宮との贈答歌を中心に叙述したもの.式部研究第一人者による新校注.

内容説明

ものおもへば沢の蛍もわが身よりあくがれいづる魂かとぞみる。愛する男を失った式部が、神の力によって悩める魂を鎮めるべく貴船神社に詣でた折の歌である。この日記は、多くの男性遍歴の中で、とりわけ深い愛情を捧げた帥の宮との恋愛生活を、宮との贈答歌を中心に叙述したもの。式部は恋の彷徨者であるとともに天性の詩人でもあった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

117
非常に難しくて読むのに苦労した。理解していない所もある。それでも、この日記の輝くような美しさに魅せられた。和泉式部の真っ直ぐな情熱の美しさだ。式部の歌にこめられた情熱は、英国のブロンテ姉妹の詩を思わせるところがある。国や時代は違っても、女性の一途な思いは人の心を動かすのだろう。もう一つ感心したのは、自然との交感だ。雨、紅葉、霜に心を通わせ、彼女は歌を詠んでいく。現代と異なり、自然と人間が密接に結びついていたことが分かって、羨望を感じた。日記の中で描かれる自然の移ろいは本当に美しいと思う。2016/12/25

ヴェネツィア

60
『和泉式部日記』と呼びならわされているものの、日記というよりは日記の形式をとった恋物語というべきもの。語られている期間も長保5(1003)年の4月10日あまりから、同年の12月18日までのわずか8ヶ月間に過ぎない。為尊親王を亡くし「夢よりもはかなき世の中を嘆きわびつつ明かし暮ら」していた和泉式部が、親王の異母弟の敦道親王の恋を受け入れ、南院に入るまでを描く。雨の午後、月の夜、雪の朝と、折につけ恋の歌が交わされる。感情が言葉によって形成されるのならば、何という細やかで複雑な恋の感情が語られていることか。2013/05/03

NAO

58
『和泉式部日記』は、恋人だった為尊親王死の直後弟の敦道親王に惚れられ、彼の家に引き取られるまでの二人の歌のやり取りが記されている。二人の歌は、恋の歌のやり取りのお手本のようでもあるかのように、相手の歌に寄り添うだけでなく、技巧を凝らし合っている。敦道親王が、童がすぐに歌を運んで行かなかったために、「歌の趣向が台無しになった殺してやりたい」と怒ったほどに、恋の歌の駆け引きは微妙なもので、和泉式部は、そういった機微にぴたりと寄り添う才があったのだろう。2017/04/20

Y2K☮

47
妻の妊娠中に育休を取って不倫していた某政治家を思い出す。LINEが一日400回、内容が「私のど真ん中はソナタ」「お会いしとうございます」だったか。平安貴族が和歌で口説くとエレガントな香りが漂うけど、やってる事は一緒だ。さて和泉式部。想い人である為尊親王の夭逝後、今度はその弟と恋愛関係になるが、彼も何かを吸い取られた様に二十代で亡くなっている。彼女の名も詠んだ優美な和歌も歴史に残ったが男の側はどうか。恋愛体質は悪くない。ただ結果的に最愛の相手を踏み台にして花開く才能の残酷さ。結論。いつの時代も男ってバカだ。2016/11/03

しゅてふぁん

27
【登録2000冊目】和泉式部日記を岩波文庫で。何度読んでも和泉式部と帥宮の贈答歌は素敵だわ~(*´ω`*)単体で読むよりも、物語とともに読む和歌は自分の中にスッと入ってくるし、昔も今も変わらない思いが心にしみる。日に何度も交わしている文(和歌)とか、和歌で会話している場面とか、雅な雰囲気を臨場感たっぷりに味わえてクセになる(笑)この作品はこの先何度も何度も読み返していくんだろうな。2017/08/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/25931
  • ご注意事項