出版社内容情報
主人公源氏の胸中に深く刻まれた継母藤壺への思慕を出発点として,栄光と寂寞の生涯を辿った四四帖.そして息子薫の世界を描く宇治十帖.始発から終末まで七十年余の時代を追うこの物語には王朝文化の粋が結集され,後世に絶大な影響を与えた.三条西実隆筆青表紙証本を底本とし,複雑な文脈を解きほぐす注を施す.
内容説明
「若菜 下」から「紅梅」にいたる9篇を収める。八月十四日、紫上は若宮たちの成長を願いつつこの世を去った。二条院に篭った源氏は、ひたすら紫上を追慕し、様々な苦悩を彼女に担わせた過去を悔む。そしてこの苦悩を浄化するには出家遁世しかないと覚るのだった。
目次
若菜 下
柏木
横笛
鈴虫
夕霧
御法
幻
匂宮
紅梅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
20
和歌を訪ねる旅④。紫上「消えとまる程やは経(ふ)べきたまさかに蓮(はちす)の露のかゝるばかりを」・・・女三宮の降嫁によって栄華を誇る六条院の調和が狂い始めます。女楽の後、病に倒れて危篤に陥る紫上。蓮の上の露のようにすぐ散ってしまうものと自らの命を譬える。死を覚悟した紫上のかなしみがあふれています。2015/08/24
ほーりー
2
紫の上の死は悲しく、源氏自身の死はあっけないという感じがした。源氏の「『来し方、行く先も、試しあらじ』とおぼゆる悲しさ」には共感できたとしても、「昔よりの(出家の)、御本意」にはまだ共感出来る気がしない。今の年齢だときっと普通だ。いつかまた再読するのを楽しみにしておこう(将来への貯金の気分)。内容は正直ほとんど何がなんだか分かっていないのだが、読み終えた達成感は大きい。2012/05/18
MatsumotoShuji
0
再読2005/01/15
MatsumotoShuji
0
040918
MatsumotoShuji
0
040918