出版社内容情報
日本は「事実上、移民社会」と言われながら、安全・安心のうちに生きることができる条件を保障できていない――。入管での理不尽な死、技能実習生の過酷な孤立出産、外国人へのヘイトと監視の目……。シリアで、ウクライナで、世界各国で。国内外で苦境にある人々を見つめてきたジャーナリストの最新報告。
内容説明
入管での理不尽な死、技能実習生の過酷な孤立出産、外国人へのヘイトと監視の目…。シリアで、ウクライナで、世界各地で。国内外で苦境にある人々を見つめてきたジャーナリストの最新報告。
目次
1 ウクライナ難民の受け入れと、認定の壁
2 日本はアフガニスタンからの難民にどう向き合ってきたのか
3 入管法は今後どう変わるべきか
4 ウィシュマ・サンダマリさんの死―検証を阻むものは何か
5 仮放免者として生きること
6 孤立出産した技能実習生は、なぜ「罪」に問われたのか
7 「外国人だからアプリで監視」は許されるのか
8 公権力による差別と、求められる法整備
著者等紹介
安田菜津紀[ヤスダナツキ]
1987年神奈川県生まれ。認定NPO法人Dialogue for People(D4P)副代表/フォトジャーナリスト。D4Pはインターネットラジオ、各種オンライン講座の実施など精力的な発信を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とよぽん
53
「あなた」は、読者である私。では誰の隣人? 日本には他の国からやって来た人々がたくさんいる。すぐ隣、さっきすれ違ったかもしれないし、電車やバスで乗り合わせているかもしれない。だから「移民社会」日本なのか・・・。でも、その外国にルーツをもつ人々に対して、日本という国は、日本政府は、どんな対応をしているか?安田奈津紀さんは8つの項目にわたって事実を記してくれた。法改正は「国際基準」にのっとって立案されなければならないと、強説して。こんなにも日本は人権意識が希薄で冷酷なのかと、改めて思った。2023/12/11
秋 眉雄
24
いったい今は何時代なんだというくらい野蛮な人たちがいる。(野蛮/文明・文化がおくれていて、ひらけていないこと。また、教養がなく、粗野で乱暴なこと) 2023/01/26
Mc6ρ助
18
読み友さんの感想から。最近の日本のいろいろなことに感じること、政治家(個人的には政治屋だと思うけど)や官僚が物事の表層のみを捉えていてまともに考えてないのではないかと思うことが多い。現状の二歩先、三歩先を真剣に考えればこんな選択肢は選べないよと思うのだが、これを分断という言葉で片づけられてはたまらない(黒田バズーカの2%物価目標に賃上げ大合唱は何年遅れたのか?)。2024/05/12
yuki
7
昨日ウィシュマさんの裁判で映像が一部公開されたというニュースを見ました。この国の外国人に対する冷たい差別が本当によくわかります。あまりに理不尽な出来事に驚きます。そしてまた今朝ベトナム人技能実習生の死体遺棄事件が報じられています…。私も何もしらないままに見過ごしてしてきた問題でした。様々な国籍の人や友人が暮らす街にいながら彼女たちの苦難を知っていたと思っていましたが、こんなにもこの国が冷たいのかと恥ずかしくなります。2023/06/22
ずー
3
入管で起きていることの概要や、日本政府・法務省の意味不明さがよくわかる本。欲をいえば、なぜ日本ではここまで人権が軽視されるのか?というところまで踏み込んでほしかった感はあるが、ブックレットの紙幅では難しいか…。その後、リンさんの事件が無罪になったのはひとまずは良かったが、日本国内にこういう非人道的な組織があることを許しているのがどうにも気持ちが悪い。この社会を変えなければ、次第にその矛先が向けられるのは"外国人"に限らなくなるのではという不安がある。2023/03/28