出版社内容情報
尾松 亮[オマツ リョウ]
著・文・その他
内容説明
福島原発事故から10年以上が過ぎた。政府・東電は「40年廃炉」に向け進行中と言うが、そもそも事故炉の廃炉とは何をすることで、一体それは可能なのか。技術的不確実性の中、長期間を要するその工程をどうルール化し、誰の責任でどこまで行わせるのか。スリーマイル、チェルノブイリという二つの重要な先例と比較しながら検討する。あわせて、大量廃炉時代に突入した今、老朽原発を含めた原発廃炉のもつ人類史的重要性を指摘する。
目次
序章 不可解な廃炉スケジュール―福島第一は四〇年で第二は四四年?
第1章 「廃炉」は何を目指すのか
第2章 「四〇年廃炉」スケジュールはどうやって組み立てられたか
第3章 素通りされたスリーマイルの教訓
第4章 知られざるチェルノブイリの知恵
第5章 危うい現在地から問う「廃炉とは何か」
終章 「もう一つの核廃絶」に向けて
著者等紹介
尾松亮[オマツリョウ]
1978年生まれ。東京大学大学院人文社会研究科修士課程修了。文部科学省長期留学生派遣制度により、モスクワ大学文学部大学院に留学。その後、民間シンクタンクでロシア・北東アジアのエネルギー問題を中心に調査。2011~2012年に「子ども・被災者支援法」策定のための与党PT・政府WTに有識者として参加。2019年から民間の専門家、ジャーナリストによる「廃炉制度研究会」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Ezo Takachin
4
廃炉とは何か? 改めて知ることができました。原発が解体され更地になるところまでを想像する人も多いと思うが、そうではなさそう。アメリカのスリーマイル島原発、ウクライナのチェルノブイリ原発についてもまだ廃炉作業の最終見通しは見え切っていない。それなのに、福島原発の廃炉作業を40年程度と見積もってしまうのは早計ではないだろうか? 正確な情報を基に見守るしかない。2025/01/23
青雲空
4
「廃炉」とは何か。世間一般では、核廃棄物を持ち出し、原子炉を撤去して更地に戻すことだと思われているが、東電は違う。「どうなれば廃炉完了かは決まっていません。それは我々一企業が決められることではありません。今後地元の方々と話し合いながら、決めていくことだと考えています。」 おかしいやろ。定義もできていない「廃炉」を40年で目指しているとして、あたかも廃炉まで40年(残り30年)というイメージだけが垂れ流されている。 2023/07/13
takao
4
ふむ2023/06/09
イガラシ
3
原発関連の施設があった場所が、まっさらな更地になることが最終的な廃炉だとなんとなく思っていましたが、どうも必ずしもそうではないらしい。福島第一についても、どのような状態を廃炉というのか、どうもはっきりしていないようです。スリーマイルの件やチェルノブイリの件にも触れられていて、大変勉強になりました。2023/09/06
新橋九段
3
計画の適当さに愕然とする。2022/09/22
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