出版社内容情報
障害児者とともに育ち、親よりも長い一生の関係となる「障害児者のきょうだい」。幼少期から差別や偏見を受け、身近な支援者としての役割を期待される一方で、自身のことは後回しにされてしまいがち……。「ヤングケアラー」としての自らの切実な悩みや体験も交えて、さまざまな新しい取組みを紹介、支援の必要性を訴える。
内容説明
障害児者とともに育ち、親よりも長い一生の関係となる「障害児者のきょうだい」。幼少期から差別や偏見を受け、身近な支援者としての役割を期待される一方で、自身のことは後回しになってしまいがち…。「ヤングケアラー」としての自らの切実な悩みや体験も交えて、さまざまな新しい取組みを紹介、支援の必要性を訴える。
目次
1 私から見たきょうだい・家族・社会
2 私の進路・結婚の悩み
3 きょうだい会ってどんなところ?
4 よく話される内容―進路、恋愛・結婚、親あるうちに
5 ヤングケアラーが声を上げられる社会へ
著者等紹介
藤木和子[フジキカズコ]
1982年生まれ。弁護士。聴覚障害のある弟と育った障害児者のきょうだい。全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会(略称:全国きょうだいの会)本部スタッフ。シブコト障害者のきょうだいのためのサイト共同運営者。聞こえないきょうだいをもつSODAソーダの会代表。弁護士としては、家族関係を専門とし、優生保護法被害弁護団等に関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
63
幸福追求権、自己決定権、だれの権利も尊重され保障されるべきだが実際は・・・。読んでいるうちに、著者の藤木和子さんは、私が数年前に参加したある講演会(学習会)で講師の1人だったことに気がついて驚いた。あのときの弁護士さん!障がい児当事者と家族の中で、「きょうだい」のことは心ならずも見過ごされがちだった。しかし、「きょうだい」は置かれた境遇に苦しみや不満、時には絶望感ももちながら成長する。「助ける、助けられる」関係をすべての人に築いていけるようにと思った。80ページほどの紙幅に濃い内容が収められている。2023/11/11
ネギっ子gen
41
【きょうだいは偶然、友達は選択】障害児者とともに育ち、親よりも長い一生の関係となる「障害児者のきょうだい」。幼少期から差別や偏見を受け、身近な支援者としての役割を期待される一方で、自身のことは後回しにされてしまいがち……。「ヤングケアラー」としての自らの切実な悩みや体験も交えて、様々な新しい取組みを紹介、支援の必要性を訴える。「おわりに」の後につけたフレーズ。<自分の人生を第一に考えることができるのは自分>が、著者の思いの集約か。以下は、こちらへ。⇒ https://note.com/genok/2022/04/29
ドシル
13
SODAの会代表の藤木和子さんの著書。 聞こえない弟や家族などとの関係と、手話やろう者と出会い今に至るまでことを、きょうだい児の視点で書いている。 世にいるろう児や難聴児と聴児を同時に子育てしているパパやママにオススメしたい。 改めてSODAの意味や立場を考えさせられる。2022/04/13
Keiko
10
耳が聞こえないきょうだいを持つ子供のことから、ヤングケアラーの話まで多岐にわたりました。ヤングケアラーは大人になっても続くので、小さい頃から個として生きていけるように政府も考えてほしいです。私も家族問題があり、自分が色々と処理してきた。個として生きていいんだとほんと数ヶ月前に思えた。恋愛もうまく行かないことがあったが、今は縁がなかったと開き直れるように。私の年齢まで悩まないでもっと早い段階で気づいて夢をもって人生を豊かに過ごしてほしいです。気づいた時から彩りがある人生を始められるから一人で悩まないでほしい2023/06/24
shushu
9
最近ヤングケアラーに注目が集まっているが、直接ケアラーとして期待されなくても、兄弟姉妹にハンディがあるとそれだけでそのきょうだいにも偏見、差別、一方的な期待、親の時間・関心の薄さに直面せざるを得ないという状況を、そのきょうだい側から描いた本。障害児とその親への支援も必要(負担の軽減がきょうだい児への負担の軽さになると思われる)だし、きょうだい児自身への支援も必要なのだろう。薄いがよくまとまっているし、参考文献も付いているので、この問題の一冊目として適当な本。2023/03/25