出版社内容情報
豊田 直巳[トヨダ ナオミ]
著・文・その他
内容説明
福島第一原発事故から10年が過ぎた。多額の復興予算は、被災者不在の公共事業や検証なく繰り返される除染などに費やされ、さらに原発事故の傷跡を覆い隠す「復興五輪」が強行された。地元住民を置き去りにする偽りの「復興」は福島に、そしてこの国に何をもたらしているのか。住民らの苦悩と闘いをカラー写真とルポで描くシリーズ第4弾。
目次
第1章 「復興」のための「復興」(人のいない「復興」の景色;「なかったこと」にさせられる―消される人の生活 ほか)
第2章 「復興五輪」狂騒曲(オリンピック・パラリンピック推進の裏で;偽りの「光」で消される大切な記憶 ほか)
第3章 人間としての「生」を取り戻すために―一〇年前の約束(取り残されるお年寄りの挑戦;自分らしく生き抜いた酪農家の死)
第4章 終わらない「原発安全神話」との闘い(新たな放射能汚染―一〇年後の現実;「安全」キャンペーンによる被曝―一〇年目に立ち上げた訴訟 ほか)
著者等紹介
豊田直巳[トヨダナオミ]
フォトジャーナリスト。日本ビジュアル・ジャーナリスト協会会員。1956年静岡県生まれ。東日本大震災・原発事故の翌日から福島の現地に入り、取材を開始した。平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞。第66回産経児童出版文化賞大賞(『それでも「ふるさと」』全3巻)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tu-ta
2
華々しく語られることの多い福島の「復興」。その陰で消される声がここに写真と文字で記載されている。知りあって40年を超えることになった古い友人、豊田直巳は、現場を見て、写真に撮る。そして繰り返し「本当にこれでいいのか」と問い続けているように感じる。2022年6月26日には、オンラインでの取材報告もあるとのこと。 ~~ ソーシャルクエスト「取材報告 福島の11年間~原発事故被害と福島の人たち」 ~~ https://socialquest1.peatix.com/ コメント欄に追記2022/05/26
tecchan
0
福島原発事故後も継続して被災地の情報を発信している著者の最新のフォトルポルタージュ。欺瞞の復興五輪も終わったが、被災地の復興はまだまだの状況。昨日の能登半島大地震,そして,先程の羽田空港事故など災害が続く中、福島は忘れ去られて行く。人災であるのに、その責任を担う政治家はやみ政治資金で揺れる。この国の将来は暗い。2024/01/02
昌也
0
再読:今一度考えてみたい2023/01/26
フリウリ
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未来を考え生きるために銘記。以下主要目次●1章 復興のための復興①人のいない復興の景色②「なかったこと」にさせられる③復興が隠す放射能汚染の実態●2章 復興五輪狂騒曲①オリ・パラ推進の裏で②偽りの光で消される大切な記憶③地元を置き去りにする復興五輪●3章 人間としての生を取り戻すために①取り残されるお年寄りの挑戦②自分らしく生き抜いた酪農家の死●4章 終わらない原発安全神話との闘い①新たな放射能汚染②安全キャンペーンによる被曝③国策による棄民④奪われた時間⑤自分さえも消されていく 6/102022/09/12