出版社内容情報
「学者の国会」ともいわれる日本学術会議。戦時体制への反省から設置されたが、そもそもどんな存在か。2020年、首相による会員候補者6人の任命拒否という前代未聞の事態が発生。これを機に、法的・歴史的にとらえ直し、科学者の社会的責任、学問の自由の問題から課題や展望を考える。前史来100年あまりの略年表付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
42
先に読んだ「科学者の社会的責任」とも響きあう。漠然と考えていたことが、整理できたと思う。基礎技術を蔑ろにし、人文・社会学系に価値を認めようとしない風潮の一方、「丁寧に説明を・・」と言いながら、何もしない。そこから独立していることの価値こそ大事なこと。2025/05/21
西澤 隆
7
菅政権時代のトピックの一つ、日本学術会議の任命拒否問題。「そもそも日本学術会議とは?」を伝えるためのブックレット。どこの国でもアカデミーは独立的であり政権に対して必要なときにもの申すことができなければいけない。だから書かれていることは正論ながらどこか「我々は怒っている。我々を制御するなどもってのほか」というような鼻息も伝わってきて素直には受け取れない部分も。例えば「軍事研究」もすべての研究が転用可能な時代にこの対応で対応できるのか・・・への反省はない。外の人の説得はどうあるべきかあらためて考える本でした。2022/10/15
たろーたん
2
菅首相がやった任命拒否って結局何だったの?人事だから説明できないと言いながら、「総合的・俯瞰的観点から考慮したとか所属大学に偏りがある、若手が少ない」とか色々と言ってたけど、事実に反するどころか任命拒否のせいで偏りが出た。しかも、個別人事と言いながら、六人のうち加藤陽子しか知らない・名簿は見ていないという矛盾っぷり。その後には「年金250万円貰える」とか「中国千人計画に協力して軍事研究している」という与党国会議員によるデマ。マジでただの嫌がらせ人事じゃん、クソっすわ。2022/01/14
星辺気楽
1
とんでもないことが行われている日本。2023/04/24