出版社内容情報
歩道からも車道からも追いやられがちな自転車。しかし一方で、自転車は環境への負荷が小さく、また車中心の街づくりを根本的に転換させうる、未来志向の乗り物でもある。事故はどうしたら減らせるのか、そして自転車が走りやすい街はどうしたら実現できるのか。国内外の豊富な事例をもとに、ソフト・ハード両面の方策を考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
31
自転車に乗ることが健康によい。心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、がんの発生危険性の軽減につながる(9頁)。神戸地裁の判決で、子どもの自転車事故で歩行者を寝たきりにしてしまうと、賠償金1億円。親が負担(18頁)。自転車にも自動車の自賠責が必要ともいえる。歩道は危険:歩道は、ガードレールや街路樹で車道と分けられることも多く、車道を走る車のドライバーからは、歩道を通る自転車が死角で見えにくくなり、気づくのに遅れる(38頁)。 2016/01/08
ステビア
14
自転車が走りやすいような制度づくりをしてこーぜーって本。納得できる。2014/10/22
kenitirokikuti
9
図書館にて。著者は毎日新聞社会部(→デジタル報道センター)記者。えっと、五輪によってそれまで欧州では悪い方だった自転車事情が改善した。で、東京五輪でも倣うべき、みたいな。本書の刊行は2014年▲「ロンドン自転車戦略1997」ってのがあったが、ボリス・ジョンソン市長が「ロンドン自転車革命2010」として推進した。しかし、行間を読むと、本当の狙いは、地下鉄・自動車テロ対策だな▲日本の自歩道(自転車&歩行道路)のナニが悪いのか。自転車の双方向通行。いちおう路側帯の逆走は罰金。でも、細い白線一本のとこ、厳しいな2022/04/21
RED
4
小論文のための参考図書。確かに自転車の通行は自動車と比べて曖昧な点が多い気がする。自転車レーン、確かに作ってくれた方が嬉しい。特に中高生は通学手段として自転車を使う機会が一気に増えるから、余計に。2020/02/12
かきたにたくま
4
自転車が増えて危なっかしいけど、行政は何しているの?ということが分かる本。ヨーロッパの自転車先進国?と比べて日本の自転車対策が遅れていること。東京オリンピックはあるが、そこでの改革に大きな期待が持てないこと。そもそも国の方針がぶれていたためその修正に追われること。やることはあるのに強制力の弱さか優先度が低く取り組めていない行政があること。そういうことが書かれている。しかしながら、その未来はあんまり明るくない様子なのはタイトルの通り。冷たい。2014/12/07