出版社内容情報
人は,どのような局面において言葉をつむぎ,また,それを手にとり読んできたのか――.さまざまな執筆者36名が,過去から蓄積されてきた言葉をひき,その言葉に思いを重ねて書き継いできたウェブ連載第二期を収録.さらに,河北新報社の連載企画「歩み」の抜粋,および同紙記者による書下ろしを加える.
内容説明
さまざまな執筆者が、過去から蓄積されてきた言葉をひき、その言葉に思いを重ねて書き継いできたウェブ連載の第2期を収録。さらに、河北新報社の連載企画「歩み」より抜粋、および同紙記者による書下ろしを加える。
目次
1 3・11を心に刻んで(坂手洋一;和合亮一;鷲田清一;玄侑宗久;想田和弘;森村泰昌 ほか)
2 歩み 2012年河北新報社(宮城県名取市・閖上地区;福島県・浪江高校;宮城県石巻市・石巻水産復興会議)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
13
美術家の森村泰昌氏は、「美というものは、ヒューマニズムと無関係に作動する感情の高まり」(17頁)とされている。作家の川上弘美氏は、「原発は、人間にとって無理がある」(41頁)としている。無理は続けていると破局に至る。これを学んだのが3・11ではなかったか。なのに、もう再稼働とは拙速。今となっては、国際協力もいいが、それよりもスマトラ島沖大地震やハイチ大地震、イタリアやニュージーランドで起きた地震を他人事にしていた自分の腑甲斐なさを思う。結局、体験してみないと人間は想像に限界がある。自助と共助あっての社会。2014/02/20
ちいさな図書館
3
少ない文字数の中に、書き手の祈りと決意と、憤りが詰まっている。忘れてはならないし、天災だけではなくて人災でもあったことをもっと考えなくてはならないと思う。忘れないことが、誰にでも最初にできる抵抗と祈りだから。2014/03/20
がんぞ
2
震災1年後〜11ヶ月、川上弘美「殺されたくない」「原発は無理である、どうしても」高橋源一郎『ナウシカ』CDラミス「東京に原発を」加藤典洋「世界は無限性から有限性に転換」森壮也「障害者の死亡率は2%一般人は1%」宇梶剛士「コロンビアの国内難民400万」姜信子「サン=テグジュペリは砂漠で火を起こしました」原田マハ「被災地に行こう」池辺晋一郎「自然の摂理に逆らわない」/河北新報記事「名取市閖上」カーネーション栽培「福島県浪江高校」本宮高校のにプレハブ校舎、一年生7名。吹奏楽部などは共同で。「石巻市水産復興会議」2018/03/08
birdie-birdie
2
あの日に起こった様々なこと、もう一度思い返して記憶を辿る。私たち日本人が、けっして忘れてはいけない日。様々な人たちの文章に勇気づけられました。とくに原田マハさんの「旅をしよう」が良かったです。肩ひじ張らずに私たちにできることを、やっていけばいいんだと思いました。自分の誕生日に起こった悲惨なことを忘れずにいたいと思います。2017/08/01
山田
2
各方面の文化人が語る震災について。薄い本ですがとてもゆっくりと噛み砕きながら読み進めたため、一ヶ月以上の時間がかかってしまいました。2013/11/22