出版社内容情報
先進国の中でも,女性の社会進出が遅れている日本では,日頃から政策決定に女性の声が反映されにくい.そのため災害時の被災者支援も男性基準で進められ,女性被災者にしわ寄せがいきやすい.また被災地でのセクハラやDVなどの被害も表面化しにくい.東日本大震災の女性被災
内容説明
先進国の中でも、女性の社会進出が遅れている日本では、日頃から政策決定に女性の声が反映されにくい。そのため災害時の被災者支援でも女性の視点が置き去りにされ、女性被災者にしわ寄せがいくことになる。また被災地でのセクハラやDVなどの被害も表面化しにくい。「東日本大震災女性支援ネットワーク」を立ち上げた女性たちが、被災者の実状を報告し、多様な支援のあり方を考える。
目次
1 東日本大震災下の女性たち―何が起きたか(見えない被害、届かない声;災害時における女性への暴力;雇用不安と女性)
2 多様な支援の形をもとめて(「日本的支援」の歪みを問う;支援の国際基準とは;地域防災計画を見直す)
3 復興政策にも女性の声を(女性を視野に入れた復興政策;女性の意思を反映させるために)
著者等紹介
竹信三恵子[タケノブミエコ]
ジャーナリスト、和光大学教授。1953年生まれ。朝日新聞経済部記者、編集委員兼論説委員などを経て、2011年4月から現職
赤石千衣子[アカイシチエコ]
しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長。1955年生まれ。ふぇみん婦人民主新聞編集長を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
9
共同生活としての避難所暮らしではコンセンサスが何より大切だと実感される内容。過剰にプライヴァシーを言うと、非常時なのだから止む無しと思えてくる。世帯主中心主義の弊害(29頁~)は、単身世帯激増にあって、時代に合わなくなっている。災害弔意金の話。先ほどの本では地名の国際基準が出ていたが、ここでは災害支援の国際基準がある(35頁~)。スフィア基準といった、ジェンダー・多様性への配慮があるという。脆弱な人々への配慮は大切。脆弱性の定義も刻々変化する被災地では変化するかと思う。感性や閑静が失われる災害に女性の眼。2013/05/30
M
1
東日本大震災を経て、防災に対する意識が変わってきたと思う。防災に女性の視点が加わることは欠かせないことなのだとこの本を読むと感じる。この本で言及されているが、「女性」をひとくくりにしないことが、住民の多様性に配慮することにつながることなのだと思う。2013/03/20