出版社内容情報
自殺も、貧困も、自己責任ではない――。支援活動の現場から見えた日本社会の課題、内閣府参与の立場から感じた構造的問題、そして、「生き心地のよい社会」への希望を、徹底的に語り合う。注目の2人による対論!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫羊
27
自殺問題についての勉強会で、講師の精神科医が、ライフリンクの出したデータを、講義資料として使っていた。講義の中で、データのとり方やまとめ方を絶賛していたのを思い出す。ライフリンクの清水さんも、もやいの湯浅さんも、社会活動家としての揺るぎない信念とともに、柔軟な戦略を持っておられる。粘り強く岩盤を穿つ姿に頼もしさを感じる。2013/12/22
壱萬参仟縁
15
消費税5%に増税してから1998年以降、12年連続年間自殺者3万人超(3頁)。いのちを奪う社会が先進国である筈はない。だが、現実はまだ金持ち国家と思っている。違和感。五輪も超一流とハンディを負った人たちが代表して戦っているが、問題はふつうの人が自殺を選ぶしかない息苦しい経済社会を築いてしまった点。麻生氏の年寄りはとっとと・・・発言も記憶に新しい。弱い人に重荷を背負わせ、背負わせた者が勝ち組になっている歪な社会。社会としては持たないことは自明にもかかわらず、それを止めるつもりはない。冷血なエリート層の処世。2014/02/20
双海(ふたみ)
14
「年間自殺者三万人超え」という事態、自分ならどのように解釈するか・・・。2015/02/01
Bartleby
10
実際に現場に立ってきたふたりだからこそわかる行政の取り組み方や発想の問題点がメニューにない餃子などのわかりやすい比喩とともに示されている。事情をよく理解していなかったり、自己責任論的なものの見方に縛られた報道や世間の目があるということもよくわかる。自殺者や貧困に苦しむ人を理解しようとしつつ、行政の側には「(ちゃんとした対策をしない方が)経済的に損ですよ」ということを伝えて説得する。実は二人について今まであまり知らなかったけれども、信頼できそうだという印象を持った。これからの活動も期待したいと思う。2011/11/11
Scotch
10
貧困と自殺は密接な関係にある。印象に残ったのは餃子のたとえ。餃子がメニューにあるのに、言われたら「ありますよ」という状態に行政があるということ。知らせなければ意味がない。「やっていますから、お気軽にどうぞ」という受け身ではなにも始まらない。さらっと、かいつまんで読んでしまったので、あまり関係ない感想だ。しかし、もう一度読む価値のある一冊だったと思う。2011/06/04
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